その理由を調べるため、製造元へ行ってみると・・・

Nスタ
「こちらですね」

オフィスビルが立ち並ぶ東京・港区にある酒蔵、東京港醸造。



酒蔵で酒造りの最高責任者である、杜氏の寺澤善実さんです。



Nスタ
「結構、コンパクトですね」

東京港醸造 杜氏 寺澤善実さん
「敷地が22坪で、でも都合いいところがたくさんあって。この後細かくご説明させていただきます」

階段を上り、まず向かったのは・・・

寺澤善実さん
「ここは洗米したり、お米を冷やしたり、麹を冷やしたりするフロアなんです。こちらにある3本のタンクの中には水道水。東京都の水道水です」



酒造りのすべての工程で使われているのが、この、東京の「水道水」なのです!

寺澤善実さん
「京都の伏見、私が20年修行していたところの水によく似てて、慣れ親しんだ水と似ている」

意外にも、浄水処理されている東京の水道水は、やさしい飲み口のお酒に仕上がると言います。

SDGsの目標の1つ。「安全な水」があるからこそ、都心でもおいしいお酒ができるのです。

寺澤さんが追求するのは、大切な水を守り、環境負荷を減らす酒造り。

そこで生まれたのが、「地球に優しいお酒」、“サステナブルな日本酒”です。最大の特徴は・・・



寺澤善実さん
「SDGsという部分で、無洗米加工したお米なんです。清酒という部分では、まだ全然誰も使っていなかったので、ぜひ1回チャレンジしたいというのがあって提案させていただいた」



日本酒造りには大量の水が必要で、使用される米の総重量の約50倍にも上ると言われます。米の総量が100キロだとすると、5トンもの水が必要になる計算です。

ただ、無洗米を使えば、米を洗うための水は必要ありません。酒造りで使う水の量を14分の1にまで、大幅に減らせるのです。さらに・・・

Nスタ
「日本酒のつくり方は一緒?」

寺澤善実さん
「そうです。洗米という部分だけ違う。そこが、米のとぎ汁という環境破壊の要因なので、そこを圧縮しているということ」

米のとぎ汁に含まれる「窒素」や「リン」は、通常の下水処理では十分に処理ができず、水質汚濁の要因になると指摘されています。

無洗米を使うことで、その「とぎ汁」が出るのを防ぐこともできるのです。

寺澤善実さん
「今よりも、もっと少なくお水を使えば、当然それが環境負荷、もしくは下水処理場の負荷を下げたり。低予算で膨大な敷地がなくても日本酒をつくれるっていう環境が、今後、日本酒業界を次の世代に持っていく為には必要なんじゃないかと思って」

都心でつくる日本酒には、「おいしい」だけではない、地球へのやさしさも、詰まっていました。