国連が掲げる17の持続可能な開発目標「SDGs」。SDGsウィーク最終日は、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」です。
野菜くずを始めとした食品残さなどを利用しバイオガス発電に取り組む十和田市の企業を紹介します。


青森県十和田市にある「バイオガスエネルギーとわだBーGET」。資源を無駄なく活用する施設として2020年から稼働しています。施設を見学させてもらうと…

年間約2万トン 運ばれてくる食品残さ


※五月女 舞香アナ
「今、原料となる廃棄物が運ばれてきました。これから破砕していきます」

運ばれてきたのは、野菜くずを始めとした大量の食品残さ。施設では食品関連企業や農協などからこの2年間で約2万トンを受け入れています。


残さが運び込まれるのは発酵槽タンク。中を覗いてみると、黒く濁った液体が流れています。
この液体は食品残さが発酵したもの。こちらの施設では、残さを発酵させて回収したバイオガスを燃料にして発電。電気は電力会社を通して企業や家庭に届くので循環型社会の実現に大きく役立ちます。


※県南環境保全センター 佐藤正樹 代表
「青森県だけではなく、東北・関東からも引き合いがありますので、ぜひとも施設を活用していただいて、脱炭素化へ手をとりながら我々も一助になれればという思いで施設を運転しています」


発電施設がフル稼働した場合、1年間で最大525万キロワットアワー、一般家庭約1100世帯分をまかなうことができます。


還元するのは電力だけじゃない 農業関係者も注目


そして地域に還元するのは電力のほかにもう一つ…それが有機肥料です。発酵が終わった液を水分を抜いて固めたもので、近年、化学肥料が値上がりしていることから農業関係者の注目が高まっています。


※県南環境保全センター 佐藤正樹 代表
「食品残さの受け入れ量を増やしていきたいのが1丁目1番地の目標。まだ認知度が足りないと思っているので、いろんな部分で施設を活用していただくことがSDGsに寄与することを、皆さんに知っていただく取り組みをしていければ。」


大量に出る食品残さを電力に、そして有機肥料に変え、資源として無駄なく使うこの取り組み。
「循環型社会」の実現に貢献する取り組みとして存在感を増していきそうです。