「ネイリストになりたい気持ちはなくなった。明日ですら考えられない」

 夕方、少女は再びトー横に。

 (記者)「今日はこの後どうするんですか?」
 (少女)「この後は稼ぎに行く」
 (記者)「稼ぎに行く…。それは昨日も言っていた通り、いわゆる案件というか」
 (少女)「うん」

 少女は頑なに私たちの説得を拒んだ。
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 (少女)「行かないとお金はない。だから自分は行く。誰が止めても自分はそれで稼ぐ」
 (記者)「嫌な気持ちには?」
 (少女)「ならない。もう慣れた。需要と供給じゃないけど、おじさんはお金を払ってそういう行為がしたい、こっちはお金がほしいからそういう行為をする。それでいいと思う」
 (記者)「本当にそれでいいと思っている?」
 (少女)「うん」
 (記者)「心の底から?」
 (少女)「うん、自分は今はそれしか稼ぐ方法がないし」
 (記者)「前に会った時に将来はネイリストになりたいと言っていたと思うんだけど、その辺の気持ちっていうのは?」
 (少女)「もうなくなった。てか10年20年先までそんな考えられない。明日ですら考えられない。何があるかわからない状況で、今日をとりあえず頑張って生きているって状況だから」

 そう言い残して少女は私たちの前から去って行った。私たちが目の当たりにしたのは、今、日本で起きている現実だ。

 (2023年3月15日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)