2か月後の再会 少女から失われつつある“ためらいの気持ち”
2か月後の2023年1月、私たちは再びトー横を訪れた。
(記者)
「今日は大寒波が来ていまして非常に寒いです。ダウンを着ているんですけど、それでも体の底から寒いような、そういう気温です」
広場には柵が設置され、一帯は封鎖されていた。若者たちはいったいどこに…。
少し離れた場所にあの少女がいた。2か月前に話を聞いた少女。つい先ほどまで売春をしていたという。
(少女)
「ここに立って、そこのレンタルルームで売春してお金もらって。今日も売春した。午後5時くらいかな。仕事でお金がもらえるから頑張るみたいな感じ」
少女の言葉の端々に“ためらいの気持ち”が薄れていることを感じる。私たちは改めて話を聞くことにした。
(記者)「11月に来たので2か月ぐらい。その間に何があったの?」
(少女)「その後も保護所とかいっぱい行って、何回も脱走して、捜索願が出て、また捕まって…を繰り返して。親元じゃなくて親の知り合いの人に引き取られることになって、その人の家も結局向かなくて出てきて。今は毎日稼いでホテルを取ってホテル暮らし」
(記者)「その日ホテルに泊まるお金をその日稼ぐ?」
(少女)「そんな感じ。具体的にはまぁ売春」
(記者)「アルバイトとかはやっぱりできないの?」
(少女)「身分証が全部ないからできない。親元にあって、保険証とかを引き渡してほしいというのはお願いしているけど、全部親が拒否している感じ」
少女は「親から愛された記憶がない」と話す。
(少女)
「補導されても『迎えには行きません』で、ずっと保護所だったから。寄り添っては欲しかったかな」
午後10時、少女は友人たちと合流した。
(少女)「ラブホ行く」
(記者)「え?」
(少女)「ラブホ」
(記者)「年齢確認はされないの?」
(少女)「されない」
(記者)「本来は泊まれないよね?そういうホテルは」
(少女)「うん」
(記者)「普通になっちゃっている?」
(少女)「普通になっている」
少女たちはラブホテルで一夜を過ごすという。
(記者)
「非常に寒いので何とか暖をとって寝てほしいなという思いはあるのですが、その一方で泊まる場所がこういう歓楽街のど真ん中にある、それもラブホテルだと。なんて表現したらいいかわからないですね、この今の気持ちを」