「犠牲者ゼロが夢」大災害の前に…アプリの実用化へ

今後30年のうちに、70~80%の確率で起きるとされる南海トラフ巨大地震。

三重県には、高さ20メートル以上の津波が到達すると想定されている。

紀宝町では、人口の約1割が命を落とす可能性がある。

防災無線
「大津波警報が発表されました。避難してください」

おととし行なわれた町の防災訓練。町が定めた避難ルートで有川教授がシミュレーションを行ったところ…住民が、津波に飲まれてしまった。町の避難計画ではいのちを落とす住民がいることが分かった。

有川教授は、あるアプリの開発を始めた。試作版を、海から200メートルの場所で飲食店を営む坪田さんに使ってみてもらうことに。

有川教授
「このボタンを押していただくと、高台があるんですけど、そこに逃げてくださいということになっていて…」

坪田さん
「ほー、すごいですね」

アプリでは地震発生後、最寄りの避難場所までの最短経路と津波に遭わずに避難できる最適な経路が表示される。
最適な経路で、その避難場所に向かってみると…歩いて3分で高台に到着した。

坪田さん
「来てみて(こんな避難場所が)意外とあるもんやなと思いました。こんなところ僕上れるのは知らなかったので、なかなかすごいですね」

デジタル技術でいのちを守る。有川教授は大災害が再び起きる前に、アプリの実用化を目指している。

有川教授
「地震津波避難は時間が勝負。アプリがあって適切に逃げて(犠牲者が)ゼロになりましたというのが夢ですね」