■カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 東京プール 日本代表 10-2 チェコ共和国代表(11日・東京ドーム)

WBC1次ラウンドプールBの第3戦でチェコ共和国代表と対戦した侍ジャパンは、10ー2で勝利し初戦から3連勝を飾った。

東日本大震災から12年のこの日、岩手・陸前高田市出身で自身も当時被災した佐々木朗希(21)が満を持して先発のマウンドに上がった。最速164キロを計測するなど1回のストレートは全て160キロ台をマーク。二塁打で出した走者が味方のエラーで返り先制点を許したが、3回2/3を投げ被安打2の8奪三振。思いのこもった66球を投じ、令和の怪物が初のWBCのマウンドで堂々のピッチングを見せた。

序盤から1点を追う展開となった侍打線は相手先発O.サトリア(26)の120キロ台のストレートとチェンジアップに苦しめられたが、3回、吉田正尚(29)が2戦連続となる逆転の2点タイムリー。投手が代わった4回にはラーズ・ヌートバー(25)、近藤健介(29)、大谷翔平(28)の3者連続タイムリーに、吉田の犠牲フライで4得点を挙げた。

さらに5回には初打席の牧原大成(30)がタイムリー、8回には大谷の代打・牧秀悟(24)の今大会第2号で突き放した。4番村上宗隆(23)にも15打席目で待望の初ヒットが飛び出し、2試合連続二ケタの11安打&10得点と打線が爆発し快勝した。

9日の中国戦で8-1、10日はライバル韓国に13ー4と圧勝した侍ジャパンは、これでプールB唯一の3勝と、準々決勝ラウンド進出に大きく前進した。次戦は12日、オーストラリア(2勝0敗)と対戦する。

「令和の怪物」がついに“WBCデビュー”

佐々木が立ち上がりから160キロ台のストレートを連発した。
チェコ唯一のMLB経験者、元カブスの2番E.ソガードには落差のあるフォークボールで“WBC初三振”。2死とし3番M. フルプへの初球でこの日最速の164キロを計測したが3球目の163キロをレフトへ運ばれ二塁打を浴びた。続く4番M.チェルヴェンカの遊ゴロを、源田に代わり初スタメンのショート・中野拓夢(26)が一塁に悪送球。前日の韓国戦に続き侍ジャパンはこの日も先制点を許した。


2回は2者連続の空振り三振から、四球で走者を一人出したが後続を遊ゴロで抑えた。3回はE.ソガードにヒットを打たれると続くフルプに四球を与え1死一、二塁のピンチ。それでも昨季チェコリーグの本塁打王・M.チェルヴェンカを空振りの三振、中国戦で本塁打を放ったM.メンシークを中フライ。いずれもフォークで中軸を封じた。

4回もマウンドに上がった佐々木は、7番のW.エスカラに死球。続くバッターの3球目で球数が65球に達し、空振り三振に仕留めたところで2番手の宇田川優希(24)につないだ。投球を振り返り、佐々木は「フォアボールなどで球数が増えて4回を投げきれなかったですが、最小失点で戻れたのは良かったです。(WBC仕様の)マウンドやボールは気にならずチェコの良い打者に集中して投げられました」とコメント。WBCデビュー戦は3回2/3(66球)を投げ、被安打2、四死球3の1失点、8奪三振だった。

大谷3戦連続タイムリー、また吉田が逆転打!最強打線爆発

序盤から1点を追う展開となった侍打線は相手先発のO.サトリア(26)に対し、1回はヌートバー、近藤が連続三振、大谷はチェンジアップにタイミングが合わず一ゴロと3者凡退。2回は吉田、初スタメンの山川穂高(31)のヒットなどで1死満塁とチャンスを作るが中野が120キロ台のストレートに詰まって二フライ、さらに試合前に円陣で声出しをした甲斐拓也(30)がサードゴロに倒れ得点ならず。

国内リーグ通算60勝のサトリアを打ち崩せずにいた打線は3回、近藤健介(29)の二塁打、村上の四球などで2死一・二塁とすると、5番の吉田が韓国戦に続き逆転の2点タイムリーを放ち2-1。さらにこの日初スタメンで主要国際大会で侍最多の6本塁打を放つ山田哲人(30)が中国戦に続きタイムリーを放ち3点目を挙げた。

勢いに乗った打線は中盤以降も得点を重ね、4回には甲斐の送りバント成功で1死二塁とすると、ヌートバー、近藤、大谷の3者連続タイムリーと吉田の犠牲フライで4得点。さらに5回には初打席の牧原大成(30)が2死二塁からタイムリーを放ち8-2と突き放した。8回には大谷の代打・牧秀悟(24)がレフトスタンドに叩き込む“WBC2号”で9点目を挙げると、続く村上がライト前へ弾き15打席目で“WBC初安打”をマークし、会場は大歓声に包まれた。

リリーフ陣は佐々木の後を受けた宇田川優希(24)が打者1人を3球三振。3人目・宮城大弥(21)が5イニングを投げきり被安打2の7奪三振で1失点。国際大会の大舞台で侍投手陣の層の厚さをみせた。