東京消防庁「即応対処部隊」の訓練に佐々木さんの姿が…

2022年10月、茨城県境町の利根川で東京消防庁の「即応対処部隊」の訓練が行われていた。即応対処部隊とは近年頻発する自然災害に対応するため2020年に結成された、警防本部直轄の部隊だ。
この日の訓練は、市街地が浸水した状況を想定。水深が浅くても、しっかりエアボートを操ることを目的としている。その様子を、佐々木さんが見守っていた。
佐々木さん
「今日はほとんど全員が僕の教え子です。隊長以外みんな。僕の訓練を受けた人です」
佐々木さんのエアボートを東京消防庁が採用。即応対処部隊に配備された。佐々木さんは即応対処部隊が発足する際に、座学や操縦指導を行っていた。以来、「教え子のことが気になっていた」という佐々木さん。この日の訓練に山梨からやってきた。
萩田士長
「佐々木さんの思いに反しないようなかたちでしっかりその知識技術を災害現場で発揮したいと思っています」
佐々木さんの思いが若い世代へと引き継がれていく。
レジャーにも使える…ミニエアボート開発で普及を目指す
佐々木さんは、エアボートを普及させるため、あるアイデアを思いついた。
佐々木さん
「ジェットスキーの飽きたお父さんたちが、エアボートに引っ越してこないかなっていう目論見。どこかで災害が起きたら、レジャー用として持っているエアボートが集まってきて救助活動ができれば一つの救助隊ができる」

レジャー用としてエアボートを全国に普及させ、災害のときには救助に役立ててほしいというのだ。そこで佐々木さんは、通常のエアボートよりも扱いやすいミニエアボートの開発をはじめた。費用を抑え、購入してもらいやすくするのが狙いだ。
佐々木さん
「どんな技術持ってても、どんなに経済力を持ってても、情熱がなかったら何もできないですよ」
「いのちを救う」ことへの情熱。プロペラ親父はきょうも、エアボートづくりに精を出す。