取材に入ったこの日。立て続けに救急患者が搬送されてきました。

【渡邉紀博医師】「本人苦しがっていますか?じゃあ、それで始めましょう。分かりました。じゃあ、当院で受け入れます」

救急車が病院から立ち去ったと思えば、また別の救急車が…まさに「断らない救急」。2人の患者をすでに診ながら、3人目の患者が運ばれてきます。

「今、ご体調いかがですか?」
「プレER救急」を始めてから、燕労災病院では昨年度よりも1.8倍多い2323人の救急患者を受け入れています。

医療現場の“人手不足”
現場では若い医師の姿もありました。チェン シンジャさん(26)。今年から燕労災病院で研修医として働いています。

“医師不足”最下位の新潟県、県央地域も医師不足は深刻な問題です。さらに、県央地域では、医師全体の66%が50代以上で医師の高齢化も進んでいます。
【渡邉紀博医師】「本人、一応話できそうだから話をしてもらって、サチュレーションがどうかだよね」
【研修医 チェン シンジャさん】「ちょっと胸の音聞きますね」

燕労災病院では、今年度と来年度に20人を超える研修医を受け入れる予定となっていて、若い医師を育てる大事な現場となっています。

【県央基幹病院 遠藤直人 院長予定者】「『ここで人材育成をするから、ここに引き留めておこう』というような考えではなくて、ここを一つの足掛かりにして、ここで研さんを積んでもらって、県内の各地域あるいは県外の方に羽ばたいていってほしい。そうすることによって県央地域の医療を他に伝えることができますし、また新たな方々の人材の関心を引くこともできるんじゃないかというふうに思っています」

【チェン シンジャさん】「ある程度任せてくれる。1人である程度裁量があるというか、自分で考えさせたうえで何をしたいか言わせてくれる。それをちゃんと聞いたうえでフィードバックをしてくれるような先生方がいっぱいいらっしゃって、すごく実りある研修ができているなと感じている」

医療を取り巻く課題は、医師の人材不足だけではなく、看護職員の不足も同様です。県央基幹病院の開院に必要な看護職員は400人。現在の燕労災病院と三条総合病院の看護職員を合わせても足りません。

そこで県は、看護職員確保に向けていち早く動きました。