担当の湯澤さんは、移住前から相談に乗ったり、きめ細かな対応をすることが重要だと気付きました。

(湯澤さん)「“初めまして”という人同士がいきなり結婚はしない。移住する前に相手をよく知ったり、いいところも悪いところも知ったうえでここへ来たい、という方々が移住する。移住前の関係性は、実はすごく大切」

さらに、すでに移住している「先輩」の力も借りて移住前に関係を深めています。

(湯澤さん)「それぞれが移住に至った動機や背景はさまざまなので、私たちの力が及ぶ範囲は限られる。飯田の市民に移住相談員の代わりになるような人が多くいて、非常に助けられた」

2020年から飯田市で暮らす杉山さん家族も「先輩移住者」です。


もともと都内で生活していましたが、「田舎で子どもを育てたい」と移り住みました。

(杉山豊(すぎやまゆたか)さん)「どんな環境で子育てするかを考えたときに都会の子育ては窮屈な気がしていたので、広々したところで思いきりはしゃぎまわっていっぱい遊んでくれたらいいなと思っていた」

杉山さんは築およそ60年の古民家を自ら改修して、自宅兼ゲストハウスをオープン。
移住を考えている人たちが宿泊し、杉山さん夫婦や先輩移住者が相談に乗る交流会などを開催しています。

(杉山さん)「移住者ならではの悩みは本当にあって、移住したい人が気にかけているポイントもけっこう特徴があるので、それに答えてあげられるというのは、僕らが移住してきているからこその強みだと思う」

飯田市では杉山さんのような先輩移住者10人が「コンシェルジュ」となって、移住希望者へのアドバイスなどを行っています。

移住前の悩みを少しでも減らし、「つながり」を生み出そうという取り組みです。

(杉山愛さん)「つながりがあることでこれから住んでいく上での安心につながっていくと思います」