元主犯格の男性『感情のジェットコースターを作って騙していく』

 だが詐欺グループの根絶はそう簡単ではないと指摘する声もある。

 (フナイムさん)
 「このカフェが(詐欺を)やっていた場所ですね。マニュアルの受け渡しとかお金の受け渡しもありましたね」

 かつて特殊詐欺グループを率い、現在は犯罪を犯した人の相談に乗っているフナイムさん(42)。7年前に逮捕され、刑務所で『2716番』と呼ばれていたことからフナイムと名乗るようになった。
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 逮捕前に行っていたのは老人ホームの入居権詐欺だ。

 (フナイムさん)
 「65歳以上の高齢者を狙って老人ホームの入居権のトラブルを起こす事件なんですけれども」

 その手口はこうだ。架空の業者Aから「あなたは老人ホームの入居権がある。入居を待つ人に権利を譲ってくれないか」とウソの電話がかかってくる。権利を譲ることを承諾すると、続いてその老人ホームから「名義貸しは犯罪だ、訴える」などと脅しの電話が入る。さらに弁護士から電話があり「資産を守りたければ1度すべて預けるように」と説得される。様々な人物が登場し、言葉巧みに金を騙し取るのだ。
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 (フナイムさん)
 「感情のジェットコースターを作って騙していくんで。世間話をするんですよ。一人暮らしとかそういった老人って話し相手がいないんですよ。だから、例えば女性の方だったら『絶対に名前からしておきれいですもんね』とか褒めるんです。だけど今度は怒ることもあるんですよ。話のつじつまなんか合わないですよ。ただ、合わないんですけど、そういうパニックした状況を作ることによって、(被害者は)もうひけないんですよ、冷静になっていないんで」