かけ子・受け子・名簿提供など「完全分業制」で組織を構成

 フナイムさんのチームは4人で、高齢者に電話をかけるいわゆる「かけ子」だった。それぞれが毎日300件以上電話をかけ、外部から仕入れた詐欺マニュアル通りに話しかけたという。

 (フナイムさん)
 「僕らは基本的に全部アウトソーシング(外注)なんですよ。要は受け子もアウトソーシング、電話もアウトソーシング、マニュアルももちろんアウトソーシングですよね。足がつかないようにするんですよ。全てアウトソーシングでやってしまえば、お金だけ払っておけば、(警察が)こっちには来ないんですよね」
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 フナイムさんのかけ子グループのほかに、現金を受け取る受け子グループ、詐欺マニュアルや名簿を提供するグループ、他にも詐欺に使う電話や事務所を調達するグループがあり、完全な分業制になっていた。詐欺が成功した際の各グループの取り分も決まっていたという。主犯格だったフナイムさん自身は多い時で月2000万円を受け取っていたというが、かけ子や受け子の末端は1回数万円程度の報酬だったという。
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 フナイムさんは当時の自分はあまりに身勝手だったと振り返る。

 (フナイムさん)
 「詐欺に引っかからないで途中でばれてしまったりとかしたら『お前あんまり調子乗んなよこの野郎!てめえ追い込むからな!お前の住所から電話番号からなにからわかってんだよてめえ!なあ!』とか言って。本当に自己中心的ですよ。お金をとろうとしているのに、犯罪をしようとしているのに、自分の思い通りにならないから被害者に向かってそういう暴言を吐くんですよ、すごい剣幕で」