植田さんと、岸田政権との距離感はどうなりそう?
塩澤崇さん: そうですね。昨年、植田さんが日銀の政策に対して意見を述べたことがあって、その時、いま日銀の低金利政策って二つの大きな柱があるんですけども、そのうちの一つに問題があるんじゃないかっていう形で疑問視してるんです。
なので、低金利の理解はあるんですけれど、やりすぎて問題があるところはやってはいけないという限界を知っている人という印象があります。
――植田さんと、岸田政権との距離感はどうなりそうですか。
適度な緊張関係が岸田総理と植田さんの間に生まれるんじゃないかなと思うんです。中央銀行がやることはやりますけれども、国がやらないといけないことは、で牽制といいますか、鞭を打つこともあるんじゃないか。適切な緊張関係が生まれて、より良くなっていくんではないかなというふうに考えています。
―――ここまで非常にいい話ばかりになっていますが、日銀総裁としての政策スタンスも確認しておきましょう。金融政策も「ハト派・中立・タカ派」という言い方をするんですね、金融緩和に積極的なのがハト派、引き締めに積極的なのがタカ派と呼ばれています。黒田総裁はハト派寄り、では植田さんのスタンスは、どうなのでしょうか。