3月9日にWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)1次ラウンド・東京プールが開幕する。侍ジャパンの正捕手候補・甲斐拓也(30、ソフトバンク)とサッカーワールドカップで全4試合、日本のゴールマウスを守った権田修一(33、清水エスパルス)の“守りの要”対談が実現した。
“ガチの鷹ファン”だという権田と甲斐の共通点とは。競技は異なるがチームの守備を支える2人が、初対面ながら熱いトークを繰り広げた。

ガチの“鷹ファン”権田に甲斐が満面の笑み

甲斐拓也捕手:
こんにちは、初めまして。

権田修一選手:
初めまして。

甲斐捕手:
宜しくお願いします。

権田選手:
あの、まず僕、非常に緊張してます(笑)

甲斐捕手:
僕もめちゃくちゃ緊張してますよ(笑)

権田選手:
なぜかというと本当に(ソフトバンクの)試合、観に行ってたんですよ。ずっと。

甲斐捕手:えーー!

権田選手:
2017年、2018年に僕、サガン鳥栖の方に所属していて、しょっちゅう観に行ってたんでガチのホークスファンなんで(笑)。僕、本当、キャッチャーの方で盗塁を刺すプレーでこんなに球場が盛り上がるっていうのを初めて知って、お客様が呼べる守備のプレーができる選手っていう印象を持っています。

甲斐捕手:
やばっ!そんな情報全然聞いてなかったです。ありがとうございます。ははははは(満面の笑顔)

2人の共通点

初対面とは思えないほど盛り上がる2人。キーパーとキャッチャーは試合中にチームの全体を常に見渡せる唯一のポジション。共通点があるとすればどんなところなのか、聞いてみた。

甲斐捕手:
たぶん、見える景色が1人だけ違うと思うんですよね。他の人が見えないものがたくさん見えてくると思うので、やっぱりそういったポジションでもあるのかなと思いますね。あとは何と言っても“要”っていうふうに思います。

権田選手:
試合を作るのはキャッチャーの選手だと思っていて、しかもピッチャーの選手によって性格とか当然あるじゃないですか。いろんなタイプの人がいて、そういうのをその人の性格を加味しながら試合の全てを“オーガナイズ”(まとめる)しているのかなと。ゴールキーパーも実は、コーナーキックとかあるじゃないですか、守備とか、キーパーが味方に指示して「こういうポジション、こういうポジション」と言ったりするので、全体をまとめるって意味で“オーガナイザー”(まとめる人)なのかなっと思って。こういう言葉にしました。

甲斐捕手:
ゴールキーパーも、見て“試合を作る”“指示を出す”(キャッチャーも)本当にそのままだと思いますし、野村克也さんが言われてたように“キャッチャーというのは脚本家であれ”と。1つの試合をドラマとして作って最後完結させるという言葉があるんですけど、本当に“オーガナイザー”を聞いてそう思いました。一緒なんだなって。