市側『歩行者の安全性を確保するため』住民側『消防車もスムーズに通れない』
車道の幅5mで工事を再開したい神戸市と、納得がいかない地元住民。2月17日、市は住民説明会を開き、折衷案を示しました。車道の幅は5mを維持する一方で、車がすれ違える幅50cmの「待避所」を作るというものです。これについて住民からは…。
(地元住民)「なんで神戸市は5mにせなあかんのか、6mではなんであかんのかを教えてほしい」
(市の担当者)「歩行者を最優先にする道路ということで、歩行者の横断時の安全性を確保するために、車両の速度をできるだけ落とすような形にするために5mにしている」
(地元住民)「38年くらい店で商売しているんですけど、北側の道で今まで対面で事故ってほんまにないですよ。(車道が広いと)スピードを出すというのでなくて、速度制限をかけてちゃんとすれば解決できると思うんです」
(市の担当者)「規制よりも道路の幅というのが一番速度抑制には効果がある」
(地元住民)「それが最適とは思われへんけど」
(市の担当者)「ご意見としてはわかりました」
また説明会では、火事や自然災害が起きた際に消防車などが通行できず人命救助に支障が出る、という意見も出ました。
(上村さん)「消防車がぎりぎりすれ違えるのが6m。これすれ違いできないやんか、火事になっても私たちのことなんか知らんっていうことかいな」
(市の担当者)「消防活動ができる消防車等が通れる基準というのは一定満たしていますので…」
(上村さん)「満たしていてもスムーズにいかない。以前の道路でスムーズにいっていて、この新しい道路でスムーズにいかないのは納得いかん」
説明会は2時間近く続きましたが、市は「車道の幅5m」という主張を曲げず、議論は平行線のまま終了しました。
説明会を受けて神戸市は次のように話しました。
(神戸市都市局工務課 岡田渉担当課長)
「道路にとって最適な構造という視点で我々は考えていますので。そこに対して考えるべきご意見があれば当然取り入れさせてもらう」
一方、沿道に住む上村さんたちは次のように話しました。
(上村美代子さん)
「(Q市の説明に納得は?)していません。(車道を)めちゃくちゃ広くしてと言っているわけではないんだから、たったの1m。私らが考えた(対面通行になった時の)想定を文書にして神戸市に出します。その想定通りの何かが起こった場合に神戸市に責任を取ってもらいます」
道路は人々の生活の根幹を担うもの。神戸市は市民への向き合い方が問われています。
(2023年2月20日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『憤マン!』より)