熱海土石流災害で行方不明となり、2023年2月、災害死認定された太田和子さんの遺族が2月20日、警察から遺骨を引き取りました。太田さんの息子は会見の中で、捜索に加わってくれた人たちに向けて感謝を述べる一方で、なぜ、母親の命が奪われたのか無念をにじませました。
20日午後4時頃、太田和子さんの息子・朋晃さんらが静岡県警熱海署を訪れました。2023年1月に見つかった母親の遺骨を引き取るためです。2021年7月に発生した熱海土石流では、人工的に造られた「盛り土」から出た大量の土砂が民家を飲み込みました。発災から1年7か月以上を経て、無言の帰宅となりました。
熱海港の土砂仮置き場では1月、行方不明となっていた太田和子さんの骨の一部が発見され、熱海市は2月10日、災害死と認定しました。警察はこれまでに延べ2万4,000人を動員。今後も捜索を続けていくとしていますが、太田さんの骨の一部が見つかった現場の捜索は2月20日で最後。活動は、一つの節目を迎えました。
<太田和子さんの息子 太田朋晃さん>
「母が帰って来ましたので、いろいろ長い間ありがとうございました」
息子の朋晃さんをはじめとした太田さんの遺族は会見を開き、捜索に加わってくれた人たちに向けて、感謝の気持ちと伝えました。
<太田和子さんの息子 太田朋晃さん>
「母の供養ができることをうれしく思います…あの日で止まったままだった時計をいまに合わせ、前を向いて少しずつでも歩んでいければと思います」
やさしい母だったという和子さん。帰りを待ち続けた朋晃さんは、複雑な思いで亡き母に声を掛けました。
<太田和子さんの息子 太田朋晃さん>
「おかえり、寒かったね、よく頑張ったねって。出てきてくれてありがとう」
死者28人となった熱海土石流災害。責任の所在はいまだに明確になっていません。
<太田和子さんの息子 太田朋晃さん>
「いままでみたいに、責任をなすり合ったりしてないで、この部分はおれが悪かった、あの部分は私が悪かったというような形で構わないので、一度出てきていただいて、ひと言でも謝罪していただいて、どこにどんな責任があったのかということだけは、はっきりさせてもらいたい」
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