小児性被害を受けた子どもたちが抱える「トラウマ」

今西洋介 医師
「小児性被害を受けた子どもたちのケアを、「NPO法人子ども支援センターつなっぐ」という団体と一緒にやっています。小児性被害を受けた子どもの約9割が女の子なので、直接的なケアは女性のほうが望ましく、僕はロビー活動に力を入れてやっています」

今西医師が情報を発信し続ける理由は何なのでしょうか。

今西洋介 医師
「小児性被害については、全然世の中に知られていないので、正しい知識を知ってもらうためにSNSでの発信など地道に啓発活動をしています。知ることが予防にもつながります。知らないと、変質者のいたずら、で済まされることも多いのです」

小児性被害を受けた子どもの心や体には、長期間にわたって深刻な影響を及ぼすことが分かっていて、子どもたちの将来を奪ってしまう残酷な被害だと今西医師は訴えます。

今西洋介 医師
「小児性被害を受けた子どもたちはトラウマを抱えて、将来的にうつ病を発症する確率が増えたり、自虐行為が増えたり、不適切な性的な活動、パートナーが多かったりというのがデータとして分かっています。将来的なメンタルヘルスというか、彼ら彼女たちの心の問題につながっています。またそういったことがストレスになり、日常生活が乱れることから生活習慣病の発症率や死亡率も高くなってしまうこともあるので、被害を受けた子どもたちにとっては、長らく苦しめられる被害であるということです」