突然の『大会休止の知らせ』で「びっくりしたし、悲しかった」

 駅伝一家の小柳家にあって、あかりさんも自然と志すようになっていきました。ところが去年7月、小学校から保護者宛に1枚の文書が。そこには次のような内容が書かれていました。

 【小学校からの文書より】
 「京都の冬の風物詩として市民に親しまれてきた『大文字駅伝』大会について、当面の間休止することが決定されました」

 突然の、休止の知らせでした。

 (小柳あかりさん)
 「びっくりしたし、自分もやりたかったと思っていたから、ちょっと悲しかった」

事前検診で「10人に3人くらいは『ひざなどが痛い』と」

 背景にあったのは、大会を重ねるごとに増していった勝利至上主義にもとづく「練習の過熱化」でした。

 【過去の大会に出場した選手のコメント】
 「夏は朝に山道を走り、昼からは学校での練習でした。合宿もありました。冬は雪の中も走りました。休みもほとんどなく、本当に毎日走っていました」
 「練習を始めるとつらくしんどくて、正直練習が嫌になったことがありました。遊んでいる周りの人を見て、早く遊びたいと思いました」

 10年間、大文字駅伝に出場する選手の事前検診にあたってきた森原徹医師。驚きの検診結果が出たと振り返ります。

 (森原徹医師)
 「(全選手の)約30%ですよね。10人に3人くらいは、ひざだけじゃなくてひざ・足・下たい(ひざから足首)を含めて『痛い』という子がいました。これはどうなっているんだという驚きでした。小学生という未成熟なところで負荷をかけるというのはあまりよろしくない。(主催側には)『練習に関しては制限をしっかりしなさい』と。『そうしないとけが人が増えますよ』ということは絶対に言いましたし、『勝利至上主義じゃない大会運営をお願いしたい』と」