武器は日本の“繊細さ”
中居さん:
14年前、その前のプロ生活も含めてですけども、野球のあり方というか、データもそうですしデジタル化ということもそうですし、野球の何か仕組みも常にアップデートされてるような気がするんですよね。それはやっぱりダルビッシュ投手自身も感じたりしますか?
ダルビッシュ投手:
アメリカに関してはそうですね、すごくもうどんどん進んでいくので。でも今回こっちに来て選手と話していると、やっぱり日本はそこに関してはちょっとまだ遅れてる部分あると思うのでその部分も話していきたいなと思ってるんですけど。野球はだいぶ変わってきてると思います。
中居さん:
それはプロ野球もMLBもやっぱり変わってきている?
ダルビッシュ投手:
そうだと思いますね。
中居さん:
今回は日本も“史上最強”と言われてます。ダルビッシュ投手はよくわかっていると思いますけど、アメリカもドミニカ共和国も“過去最強”と言われてます。日本の若い選手は「知ってますけども、ピンとは来ないですね」とか「あまり頭でっかちになっちゃいけないんで情報入ってません」みたいな話も聞くんですけども。ダルビッシュ投手はシーズンを通して長年見ている選手だったりとか対決している選手だと思いますが、ダルビッシュ投手から見て、アメリカのメンバーはどういうメンバーですか?
ダルビッシュ投手:
もちろん各ポジション良いメンバーをしっかりそろえてると思います。でもだからといっていい選手を集めればそれがチームになるのかっていうのは全く違う話なので。でもちゃんと1人1人データ分析とかしていくと、ちゃんとみんな穴はあるので、いくらでも勝てる確率あると思ってますけど。
中居さん:
穴があることは、やっぱり自分で接して感じることでしょうけども、すごいところも感じ、体験したわけですよね。強いですよ。
ダルビッシュ投手:
もちろんそれは強いと思うんですよ。パワーで言ったりスピードで言ったら違うと思いますけど。でもやっぱり日本には日本の“繊細さ”っていうすごくいいところがあるので、そういうところをしっかり使っていけたら全然勝てる。チャンスはあると思いますね。
中居さん:
今おっしゃってたアメリカ、ドミニカ共和国はやっぱり相当な選手が集まってるなっていうのは感じますか?
ダルビッシュ投手:
そうですね。それはあると思います。
中居さん:
国際野球、WBCの審判との相性というか、やっぱりコース、ストライクゾーンの違いみたいなのもあると思いますけれども、そこら辺というのはやっぱり日本の野球との差みたいなもの、違いを感じることはある?
ダルビッシュ投手:
MLBの審判だと、ちゃんとヒートマップっていうのがあって、各審判「ここはストライク取る」「ここはボール取る」っていうのが全部出るので。MLBの審判であれば、そこの情報に関していくらでも取ることができるので。
中居さん:
ちょっとやっぱりストライクゾーン違う?
ダルビッシュ投手:
違いもありますね。基本的にMLBの方が狭いと思った方がいいです。
中居さん:
メジャーの方が狭いですか?
ダルビッシュ投手:
狭いですね。
中居さん:
外をすごく取ってくれるようなイメージなんですけども、狭いんですか?
ダルビッシュ投手:
違いますね、やっぱり結局今もうデータが全部出ちゃうので。それでMLBから全部監視されて点数つけられちゃうので、やっぱりどんどんちゃんとしたストライクゾーンしかストライクと言ってくれないっていうところで。
中居さん:
やっぱりちょっと審判を怒らせちゃいけないとか、審判も感情的になることがあるからっていうのも、だいぶデータ化されたことによって減ってきてるってことですよね。
ダルビッシュ投手:
減ってはきてますけど、あるにはありますね。
中居さん:
なんとなくそのコースの違いみたいなものは、ダルビッシュ投手から伝えるべきものかもしれませんね。
ダルビッシュ投手:
そうですね。でもあんまり考えすぎてもよくなかったりするので。やっぱりストライクゾーンってのはすごく投手にとっては繊細な部分なので、コントロールって指先で投げるじゃないですか、特にWBC球なので。だからあんまり深く考えなくても大丈夫だと思いますね。
中居さん:
あまり頭でっかちにならない方が?
ダルビッシュ投手:
大事だと思います。
中居さん:
日本の投手は(ボールが)滑りすべりやすいだとか、山が低くて変化球が曲がりやすいとか、押し切れないみたいなこということを言うピッチャーがいるんですけども、難しいんですかね、アジャストするための時間といのは。
ダルビッシュ投手:
難しいと思うんですね。それはでもアメリカでもみんなそうなので。だから苦しんでることが日本人だからっていうわけじゃなくて、みんななかなか使えないので、それは自然なことだと。
中居さん:
ということは、日本人がなかなかなじまないのと同じように外国の選手も皆、なじまないんだと。さあこの後、世界一ということですけども、なってほしいですね。