「ここが無くなったらどうしよう…」買い物客は不安を募らせる
鳥取県中部の「Aコープ」が全店閉店へ。
利用客からは不安や悲しみの声が聞かれました。

利用客は
「寂しいですね。旧赤崎町はもう他に無いですけんね。免許の無いお年寄りの方が困られるんじゃないかと思うんです」
「毎日来ています。だけん、ここが無くなったらどうしようと思って…」
「私らみたいに車に乗らん者は、バスで買い物に来るんです。今までずっとここを利用しとるけ、大変だなと思って」
危惧されるのが、地域住民の買い物難民化です。
齊尾和之 記者
「1973年に開店したAコープせきがね店です。およそ50年に渡って、地域住民の暮らしを支えてきました」

Aコープせきがね店。現在、旧関金町内では同規模で生鮮食品を扱うスーパーは無いとのこと。閉店は、マイカーなどの移動手段を持たない高齢者にとって死活問題です。

買い物客(90代)
「困りますね、本当に困ります。ほとんど毎日来ていますけどね。1人でいるので車が無いんですよね。だから親せきの人らに乗せてもらって、買い物に出るとかしないといけない」
せきがね店、下北条店、赤崎店は今年8月から9月に、トピア店は来年3月に閉店する予定。

すでに組合員や地元への説明を始めていて、4月に開かれる総代会で閉店が正式に決まります。
JA鳥取中央では県生活協同組合との連携や県内スーパーに出店を打診するなど、影響を最小限に食い止めようと対応を急いでいて、閉店する4店舗のうち2店舗は、県内のスーパーが出店する目途がついたということです。
鳥取県は、先のトスク閉店の報道を受けて設置した対策チームを、JA鳥取中央のAコープにも範囲を広げて対応していくことを確認しました。

鳥取県 平井伸治 知事
「大切なのは、それぞれの地域の実情に即して、買い物、暮らしを守れる、そういう手法を考えて、みんなで協力していくことではないかと思います」
トスク対応用に設置した相談窓口は、中部のAコープの相談にも応じます。

対策チームは、JA側の意向を確かめる必要があるとして、鳥取中央、鳥取いなばの両JAを直接訪問して、聞き取りを進める方針です。
また営業譲渡や市町村の協力で、店を継続した過去の事例なども研究し、買い物機能の確保を支援することにしています。