2022年2月に起きた三幸製菓・荒川工場で6人が犠牲となる火災。火災原因も徐々に見え、警察による捜査が大詰めを迎えている一方で、遺族はこの1年間、三幸製菓側の姿勢に納得できない思いを抱え続けてきました。

【記者レポート 2月11日】「6人が亡くなった火災から一年がたった三幸製菓の荒川工場内では関係者が集まり『供養式』を行っています」

報道陣をシャットアウトして行われた供養式には、三幸製菓の従業員らおよそ100人が出席しました。
供養式の後、外に設けられた献花台に佐藤元保CEOらが改めて手を合わせ、深々と頭を下げました。
雪の積もった工場跡地は、1年前とは全く違う状況にあります。
2022年2月11日の深夜に三幸製菓の荒川工場で起きた火災は、半日にわたり燃え続け、F棟工場1棟が全焼。
パート従業員の女性4人と男性社員2人が亡くなりました。

消防や三幸製菓の調査により、この1年で火災原因の究明は進んでいます。

消防庁によりますと、火災の原因は、油分を含んだ“せんべいくず”が、焼き窯などの熱を受けて発火した可能性が最も高く、火が燃え広がった要因については、天井に吹きつけられた“発泡ポリウレタンの可能性”が指摘されました。

実際“せんべいくず”が原因の火災は、三幸製菓荒川工場では1988年から2019年にかけて、8件も起きていました。

佐藤CEOは供養式の後、「火災以前は安全管理体制が不十分だった」とした上で、再発防止策を徹底したと報道陣に対し説明する一方で、自身の進退については

【三幸製菓 佐藤元保CEO】「まずは、遺族への謝罪と再発防止を全うすることが私の責任。今後の責任処分のあり方については、行政処分などを鑑みながら検討していきたい」と述べています。

その上で、遺族への対応については「誠心誠意対応したが、至らない点もあった」とし、工場再開に関しても「説明不足だった」と振り返りました。

【三幸製菓 佐藤元保CEO】「口頭で『工場を再開したい』とご説明させていただいたのですが、遺族にこれがちゃんと伝わっておらずに、ホームページの方に先に発表してしまった」

この一年、三幸製菓の対応を遺族はどのように見てきたのでしょうか。