競泳のインターナショナル強化選手合宿が9日、長野県東御市にあるGMOアスリーツパーク湯の丸屋内プールで行われた。昨年8月にペルーで行われた世界ジュニア水泳選手権で、個人メドレーなど3種目で優勝を果たした成田実生(16・金町スイミングクラブ)が「この合宿から積み上げて、レースでもベストタイムを出したい」と意気込んだ。
今回の合宿は標高1735mの高地で行われ酸素濃度が平地の約80%しかなく、選手にとっては持久力をつけることができる恰好の地となった。世界ジュニア水泳の個人メドレーで2冠を達成し、高校一年生の逸材として期待される成田は個人メドレーの4つの泳ぎをチェック。およそ2時間の練習でほとんどプールから上がることなく泳ぎ込んだ。
成田の特徴は“無駄のない泳ぎ”。幼少期からコーチを務める海老澤雄介氏は「すべての泳ぎでクセなく泳ぐことができる。効率のいい泳ぎが、後半の伸びに繋がっている」と話し、成田自身も「得意の背泳ぎで楽に早く泳ぐことができる。レースの後半に力を出せる」と強みを話した。
さらに海老澤コーチは「これからプレッシャーが増えてくると思うが、ベストを目指して過去の自分を超えていけるようにシンプルに頑張ってほしい。大学4年生でロサンゼルス五輪があるので、そこでメダルをとってほしい」と期待を込めた。
今後の世界の舞台を見据える成田は、いったん競技を離れれば「休み時間に友達と話している時や、体育の授業でみんなとワイワイしながらサッカーをやるのが楽しい」としっかり高校生活を満喫しているようだ。7月の世界選手権、9月のアジア大会については「今年が一番大事。いい練習をどんどん積み重ねていって、自信をもって選考会に臨めるようにしたい」と世界への切符を賭けた大会に向けて意気込みを語った。