■事故前に会話した同僚“船長は天気予報確認していない印象”
事故はなぜ起きてしまったのか。当日の船長の様子を知る人物が私たちの取材に応じました。
国山キャスター
「事故当日、ご自身は何をされていた?」
船長
「別の船のKAZU IIIの操船をしていました」
KAZU Iを運航する会社「知床遊覧船」が持つもう一つの観光船「KAZU III」の船長です。事故直前の海の状況、そして豊田船長の様子も知る人物です。
KAZU III船長
「(KAZU IIIは)10時20分頃出航しました。短い70分コースの運航」
国山キャスター
「KAZU IIIの70分は危険を感じなかった?」
KAZU III船長
「その時間帯は全く。ただ折り返し時点で波風がちょっと立ってきて」
事故当日の斜里町ウトロの波の高さを示すグラフを見ると、事故を起こしたKAZU Iの出港前、波の高さは30センチほどでした。
KAZU Iは午前10時に出港しますが、午後に入ると海は豹変します。波は急激に高くなり午後1時すぎには10倍の3メートルに。KAZU Iからは「船首が浸水した」「船が沈みそう」と連絡が入り、午後3時ごろには乗客の携帯電話が繋がらなくなっていました。
この日、午前3時には強風注意報が、KAZU I出港20分前には波浪注意報が出ていたのです。
KAZU III船長
「もちろん(KAZU Iの豊田)船長とは朝、話をしました。天気の話とか昼前から波が出てきそうな話はしたが反応がなかった。天気予報をちゃんと確認してないのかなという印象は受けました」
国山キャスター
「天気予報を確認していないというのはあり得ること?」
KAZU III船長
「もってのほかですね」
国山キャスター
「なぜ出航してしまったと思われますか?」
KAZU III船長
「自分の中で自信があったのか。経験もまだ浅いですから、周りの話も、天気予報も聞いて、途中で折り返すような判断がなぜできなかったのか」
国山キャスター
「豊田船長はどういう人柄?」
KAZU III船長
「他の船長に挨拶もままならなくて、あまりよく思われていなかったり、頑固な感じはありました」
KAZU Iを運航する会社の社長についてはこう話します。
KAZU III船長
「従業員を大事にしないような会社の体質ですね」
国山キャスター
「海のことは知らないということ?」
KAZU III船長
「ええ」
国山キャスター
「そういったことも事故に繋がったと思いますか?」
KAZU III船長
「ええ、まさにそうですね」
■運航会社社長 27日に会見へ
KAZU Iを運航する「知床遊覧船」の社長にJNNが電話してみると。
記者
「記者会見はやるんですか?」
知床遊覧船 社長
「記者会見はやりますよ」
記者
「いつ?」
知床遊覧船 社長
「今、ご家族に確認とってるところです」
社長は27日午後1時半から乗客家族への説明会を開き、その後、午後3時半から記者会見を開くということです。