■去年も2度の事故 しかし運航停止の処分は無し
井上貴博キャスター:また、国土交通省として何かできることがあるのかという観点についてです。
去年5月と6月、この運航会社はそれぞれ事故を起こしていました。6月に関しては今回と同じ船長が運航していたということが分かっています。
これを受けて国土交通省運輸局は、運航会社に監査を実施しました。監査を受け、会社側は指導書を作り、提出していました。このとき、運航停止などの処分にはなりませんでした。会社の判断で運航可能な状態が続いていたわけです。

東海大学海洋学部 山田吉彦教授:
年に2回も事故を起こすのは多すぎる。去年6月の事故について、出港後まもなく浅瀬に乗り上げる事故というのは普通は考えられない。
ホラン千秋キャスター:
取材に応じてくださった以前この運航会社で働いていた方が、「海のことを何も伝える人がいない、教える人がいない、全員総入れ替えになってしまった」と仰っていました。海のことをよく知らずにある程度の期間、運航を行っていたということになるんでしょうか。
星浩コメンテーター:
今回の場合、会社とその船長とのコミュニケーションがどこまであったのか、それが全くよく分からない。大体、無線の連絡が取れなかった原因が未だにはっきりされてない。これはおそらく、この社長さんしか分かっている人がいませんから、社長さんの口から語ってもらうしかないんですけど、未だにそこの部分がはっきりしない。それから会社全体の経営状況、コロナの影響がどうだったかという議論もあるんですけど、その辺の因果関係も全く分からない。社長さんがどう判断したのかっていうところは、ぜひ早めに会見で明らかにしてもらいたいと思います。