「食品ロスは必ず出てしまうもの、だからこその取り組み」

太田さんの本来の仕事は、ハローズ全店の廃棄率を下げること。そのために、毎日、中四国と近畿を股にかけ、車を走らせます。

(ハローズ 商品管理室 太田光一室長)「廃棄を無くそうと思ったら、売り場は品切れだらけになるから絶対に。多めに注文するし、(廃棄は)出るものなんです。そうしないと売り上げが行かないから」

ハローズ全店から出る「食べられる」にもかかわらず「捨てられている食品」いわゆる「食品ロス」は、販売価格にして、年間およそ12億円分に相当。そのうちの2億4000万円分の食品を、フードバンク活動に無償で提供することで、社会貢献につなげようというものです。 

(ハローズ 商品管理室 太田光一室長)「一人親家庭であったり、世帯収入がいくらだったりっていう縛りをつけずに、『食料に困ってる方が来てくれたらいいかな』という。そこで困ってる人たちが集まって『地域のコミュニティーの場になればいいかな』と思ってやっています」

(利用者は)「最近もう、なんでも物価が高騰しているでしょう。だから、家計にすごく響く。その中で、こういう場所を提供してくださって、私たち近所の者は、とっても喜んでいる」

(ハローズ 佐藤利行社長)「SDGSとかESGとか、社会問題・環境問題。それから高齢者社会へも取り組んでいかないといけないと。我々も実は、『社会インフラ』という認識がありますから、スーパーマーケット、食というのは本当に生活者にとって大事な、根本中の根本です。いかに、安く提供できるか、それをお客様に訴えながら、食を通した『好循環型』を目指していかないとうまくならないと」

助ける側の負荷を減らせ、尚且つ助けられる人を増やせる

この日(2月7日)行われた懇談会でも佐藤社長は、「食品を廃棄することは『もったいない』『なんとかできないか』、そう思ったことがきっかけでこの事業を始めることを決めた。当初は、自分たちで持って行っていたが、フードバンクさんたちが取りに来てくれるようになった。我々にとっても負荷が減り、活動を維持しやすくなった。このような、形態は広がってきており、今後も広く普及していくことを願います」と訴えました。

このハローズモデルについて、消費者庁の新井長官は「食べられる食品・食材を
、欲している人に届ける必要があると考えます。国内でも先進的な取組みで、私たちも勉強になり、消費者庁の今後の施策の参考にしたいです」と評価しました。