野生への復帰を進める国の特別天然記念物トキについて、石川県は能登地域が放鳥候補地に選ばれたことを受け、餌場として整備するモデル地区を選定しました。

去年8月、能登地域がトキの放鳥候補地に決まり、県は能登の9つの市と町に1か所ずつ餌場となるモデル地区を選定しました。モデル地区となったのは、珠洲市三崎町粟津地区、輪島市町野町東地区、能登町九里川尻地区、穴水町甲地区、志賀町尊保地区、七尾市中島町釶打地区、中能登町春木地区、羽咋市南潟地区、宝達志水町吉野屋地区の9か所です。

モデル地区では今後、水田にいる生物が稲刈り後も生息できるよう、常に水を溜めておく「江」と呼ばれる溝や、ため池や水田を行き来するための「水田魚道」を整備し、県が整備費や管理費を全額助成します。また県は、農薬の5割以上の削減や、冬場でも水田に水を張る「冬期湛水」の環境整備についても、農家の状況に応じながら実施したいとしています。