柴田和広記者
「こちらがJA広島中央です。先月中旬にこのアプリを本格導入してからこれまでに農家7軒から107人のアルバイトの募集がありました。これに対して110人の応募があったということで、応募倍率は100%を超えています。」


取材した時点で、成約したマッチング率は86パーセント。応募者の8割は社会人で、広島市や福山市など都市部からも応募があったそうです。


このアプリの導入で、JAには「人手の確保」以外にも大きな収穫があったようです。


1つは、「農作業の手伝いは親せきや近所の人で…」という固定観念が破られたことでした。

JA広島中央 河野孝行組合長
「なかなか近所の人も高齢化して、地元では解決できないことを解決するメリットがあった。」


もう1つは、農業という仕事への自信を取り戻したことでした。


河野孝行組合長
「多く声かけをすれば、多くの方が応募してくれる。まだ普及の余地はある。これを農業の後継に役立てないといけないと考えている。」


人手不足の解消に始まって、後継者探しの夢までふくらませる「1日農業バイト」アプリ。はたして農業の救世主となるのでしょうか? ちなみにキャベツの苗を植え付けた児玉さんは、「暇があったら、またバイトしてみたい」と好感触でした。

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このアプリ「デイワーク」は、鎌倉インダストリーズという会社が3年前に開発(社長・エンジニア 原雄二さん)したものです。現在、全国100以上のJAが導入しているそうです。1日だけというのが、「やってみよう」と思いやすいということなのでしょうか。

そもそも農村部には働き手が少ないのですが、1日単位なら遠くからでも仕事や学校がある人にも可能だと。実際、応募した人の8割が社会人だそうです。

JAの組合長は、農家の後継者探しまで期待されていました。開発した会社の原さんによりますと、そういう例はまだ聞いていませんが、バイトをした高校生が農家に就職した例はあるそうです。