映像には、拘束された詐欺グループのメンバーがあちこちで文字を打ち込む様子が映っている。その内容は…

「資金調達は返済不要で海外から100~5000万円を調達します」
「ただ弁護士を通して行う手続きがあるので」
出資を呼びかけ、手数料を騙し取る詐欺。さらに警察官を名乗り、キャッシュカードなどを狙う様子も。
詐欺グループのメンバー
「お電話このままでお待ちいただいてもいいですか?特殊詐欺対策課のほうのプッシュ回線につながりますので」
今村容疑者は、外にいる仲間と報酬の話をしていた。

今村磨人容疑者
「本当だという、情報が本当だということを確認してください。これに日当で1万出します」
騙し取った金については…
内部告発者の韓国人
「日本にいる仲間が送金してきます。収容所の職員に(賄賂を渡して)『銀行でお金を下ろしきてくれ』と頼み、職員が持ってくるのです」

収容所で、薬物らしきものが使われている様子も記録されていた。
今村磨人容疑者「あとでもう1発いいですか?」
別の収容者「量が小さい?」
今村磨人容疑者「そんなことないですよ」

犬のイラストのシャツを着た男性が熱心にマッサージをしているのは、眼鏡をとった今村容疑者だ。
当時、収容所の中には2019年、日本からの要請でフィリピン当局が拘束した36人の特殊詐欺グループがいた。指示役の今村容疑者は、別の容疑でメンバーより先に拘束され収容所に入っていたという。
ーー「キヨト」というのは仲間ですか?
詐欺グループのメンバー
「(36人の)中には入っていませんけれども、実際は同じグループ」
ーーその人はなぜそこにいる?
「もともと(別の容疑で)指名手配がかかっていた。マカオかどっか行こうとして空港で捕まったと聞いている」
グループには特徴的な手口がある。電話で警察官を名乗り「逮捕した詐欺グループの中に銀行員がいた」と嘘をつく。
詐欺グループ
「18名のうち3名が神奈川県内の銀行職員でして。銀行員がですね、情報を漏洩して…」
「逮捕した18人のうち3人が銀行員だったため、そこから口座情報が漏れた」と騙すのだ。
さらに何度も登場する言葉が…
「受け渡すときに“叩いた”ほうがいいってことでしょ」
「“叩いた”ほうがいいってことね」

「叩き」=“強盗”を示す隠語だ。3年前、今村容疑者らは強盗に手を染めていたのだろうか?