「認知症マフ」を救急車に「酸素マスクを外したがる傷病者の方も…非常に有効かな」

富樫さんは病院以外でも「認知症マフ」を活用できるのではないかと、日本で2番目となる救急車に載せることを鶴岡市消防本部に提案。先月、救急隊員対象の研修会でマフについて説明しました。

鶴岡市立荘内病院認知症看護認定看護師・富樫千代美さん「中に握るものがあるのがミソなんですよ。強制把握(いったんつかむと自分ではなせなくなる状態)がある方が、じっとここを握るので、他に手が行かなくなったり。中にものがあるというのが大事で」

救急隊員でも「認知症マフ」を知らない人が多く、富樫さんの説明に真剣に耳を傾けていました。

隊員の皆さん、興味が湧いたようです。
早速、マフを触って感触を確かめていました。

鶴岡市消防本部の救急隊員「すごく触り心地が良くて、普通の人でも落ち着く感じもあるので非常に使い勝手が良いかなと」
「特に酸素マスクとかどうしても違和感を感じて外したがる傷病者の方もいらっしゃるので、そういう方には非常に有効かなと」

そして先週、20日には荘内病院で救急車に載せる「認知症マフ」の贈呈式が行われました。

贈られたマフは30個。病院の職員やボランティアが心を込めて手編みしたものです。

鶴岡市消防本部・今野伸消防次長兼消防署長「先進的なものを活用できるということで傷病者に寄り添った救急活動ができていくものと思っております」

消防本部では早速、救急車にマフが備え付けられました。
鶴岡市内の救急車8台全てにマフが載せられるようになりました。

こうして「認知症マフ」の活用が広がると、問題はマフの供給です。
富樫さんは今、マフを編むボランティアの輪を広げようと奔走しています。

鶴岡市立荘内病院認知症看護認定看護師・富樫千代美さん「私たち(病院の)スタッフだけでは間に合わないんですね。なので皆さん方の力も 借りられたら」