“70mを投げる”、そしてライバルの存在が原動力に

世界女王となった今も、新たな挑戦を続ける北口に石川さんはこんな質問を投げかけた。

石川さん:世界選手権で金メダル、そしてパリオリンピックで金メダルを獲得されて、また新しいステップに行く時に新しいフォームにチャレンジするっていう一番の原動力は何ですか?

北口:やっぱり70m投げたいが一番の原動力だと思いました。

70m。北口の長年の夢であり、かつてはアジア勢の前に大きく立ちはだかる壁だった。その壁を超えたのが中国の18歳、厳子怡(ゲン・ジイ)だ。今年5月に行われたDL厦門大会で、世界歴代2位となる71m74をマーク、アジア新記録を樹立した。

71m74のアジア記録保持者・厳子怡選手(18歳、中国)

石川さん:アジア大会で大きなライバルになる厳子怡選手、18歳。どんな印象をお持ちですか?

北口:今季になって71m投げて世界歴代2位を投げてる選手で。18歳なんですけど、すごく体も大きくて、やりを投げるのもすごく上手で、自分より若い選手ですけど、見習わなければいけないところはあるなという風に思っています。

石川さん:18歳で若手の勢いがある選手だと思うんですけれど、どういう風にアジア大会でプレーされたいですか?

北口:今までオリンピックチャンピオン、世界選手権チャンピオンとして、次狙うものは歴史に残ったアジア記録だったり、世界記録だなという風に思っていたところで、今回厳子怡選手が71m実際にリアルで投げてて。リアルに追いかけるものが突然生まれた感じになって、すごく自分の気持ち的には楽になったかなという風に思っています。見えないものを追うよりやっぱり彼女に追いつけるように努力したいという気持ちがすごく芽生えましたし、アジア大会でしっかり勝負、彼女と面白い試合をできるようにしたいなという風に思ってます。

今まで、世界女王として“孤独の戦い”をしていた北口を“救った”のが18歳のライバルの存在だという。日本時間6日に行われたDLファイナル(ベルギー・ブリュッセル)では65m44の今季ベストをマークし、2位となった北口。この時、優勝したのは68m42を投げた厳子怡だった。

北口:毎試合、毎試合すごく自分がどれだけ勝負できるかっていうのを楽しみに臨めるようにしてくれた存在ではあるので、すごく感謝してますし、ちゃんと戦いたいなという風に思ってます。

国際大会でも顔を合わせることが多い2人。アジア大会でも最大のライバルになるであろう厳子怡とコミュニケーションを取りたい北口は、石川さんに“ある”お願いがあった。

北口:厳子怡選手が中国語しか話せないんですよ。いい中国語を・・・(笑)

石川さん:あ〜、良いですね!