「人生の最期に、心肺蘇生はしないでほしい」

がんの終末期や老衰などで人生の最終段階を迎えた方の中には、心臓が止まったときに心肺蘇生を受けないことを、本人や家族があらかじめ希望している場合があります。

しかし、実際に心停止となって119番通報されると、救急隊は原則として心肺蘇生を続けながら病院へ搬送します。現場で本人の意思を確認し、心肺蘇生を中止するための全国共通の仕組みが、日本にはないからです。

岡山大学医学部の田邉綾客員研究員(救命救急・災害医学)らの研究グループは、この問題を全国規模で初めて数字で明らかにしました。

2026年9月1日、国際医学誌『Resuscitation Plus』にオンライン掲載された研究成果が示したのは、「ルールがない」という問題に加え、「ルールがあっても現場で使われていない」というもう一つの深刻な課題です。