なぜ冬でも売れる? コンビニとプレミアムアイスの秘密
comugi:サーティワンの個別戦略から少し視点を広げて、「なぜ今、人々はアイスクリームを食べるようになったのか」を考えてみたいと思います。結論から言うと、現在のアイスクリームは「小さなご褒美」という需要を取り込んでいるのです。単に甘くて美味しいというだけでなく、ストレス解消や気分転換など、気持ちを満たしてくれる存在になっています。物価高で世知辛い状況だからこそ、日常は節約しつつ、たまにプチご褒美を自分に与えたいというニーズが高まっているのです。
野村:確かに、その気持ちはよく分かります。
comugi:この需要を満たす上で重要なのがコンビニエンスストアです。フェアにお伝えしておくと、2026年6月に公正取引委員会が、株式会社明治、森永乳業株式会社、株式会社ロッテ、森永製菓株式会社、江崎グリコ株式会社、赤城乳業株式会社の6社に立ち入り検査を行いました。アイスクリームの希望小売価格を足並みを揃えて引き上げたのではないかというカルテル疑惑です。こうした背景もあり値上げは避けられない状況ですが、それでもコンビニのアイス消費は伸び続けています。
野村:スーパーで箱買いした方が安いと分かっていても、ついコンビニで買ってしまいますよね。
comugi:スーパーだと「溶ける前に早く帰らなきゃ」と自由度が下がりますが、コンビニなら今すぐ食べたいという需要を満たせます。特に夜から深夜の時間帯に売上が伸びているというデータもあります。
さらに面白いのが「冬でも売れる」という点です。赤城乳業株式会社のガリガリ君のような氷菓の売上は夏がメインですが、ハーゲンダッツのようなプレミアムアイスは冬でも売れます。実はプレミアムアイスの売上は気温との相関が低く、大型連休やお盆、年末年始など「人が集まる時期」に売り上げが跳ねるのです。
野村:寒い冬に暖かい部屋で冷たいアイスを食べるのは、人間の業を感じますね。
comugi:みんなで少し良いものを食べようという時に選ばれるのがアイスなのです。先ほど野村さんがおっしゃったように、気温差は非常に重要です。コンビニで夏でもおでんが売れることがありますが、これは冷房の効いた室内に入った時に「寒い」と感じる体感気温の差が影響しています。アイスクリームも全く同じで、外部の気温よりも体感気温の差が購買意欲に繋がっているのです。
野村:ちなみにハーゲンダッツジャパン株式会社の業績はいかがですか?
comugi:絶好調で、2025年度の売上は556億円と2年連続で過去最高を記録しています。コンビニだと400円台に乗る商品もありますが、それでも売れ続けています。
野村:顧客が逃げていないということは、値上げが正当化されている証拠ですね。














