蒼井優の芝居力で感じた「ドラマを作るとはこういうこと」

金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』第2話より

本作の撮影を振り返り、土井監督は印象的だったことを教えてくれた。

「普段思っていることや人間の中で起きていること。私たちが作っているものは、そういった、“名前のつけようのない何か”を目に見える形にして表現することじゃないか。今回蒼井優さんの芝居を見ていて、改めてそう強く感じました」

例えば第1話で、咲子(演:蒼井優さん)の夫の充(演:松山ケンイチさん)がバス事故に遭い、行方不明になったシーン。充の遺品を確認している咲子が、ものすごく悲しいのに笑ってしまう描写があった。

「喜怒哀楽、人の感情はそんなに単純じゃない。何か予期せぬ出来事に遭遇したときに自分でも理解できない何かがあふれ出てしまう。蒼井さんの芝居は、咲子という人間の中に“名前のつけようのない感情”が起きていることを、ありのまま見せてくれました。ドラマを作るとはこういうことなんだと改めて教えられたように思いました」

さらに土井監督は、本作について「あえてジャンルに属さないことを目指している感じがあった」と明かす。

「 “名前のつけようのない感情”だけではなく、ドラマ自体もサスペンスやラブストーリー、不倫ものというような、単純なジャンルにはくくれない。だからこそ、見方を押し付けず、いろいろな感じ方ができる作品になっていればいいなと思います」