再び芽生えた勝ちへのこだわり「アジア大会では“勝ち癖”をつけたい」

田中が掲げる大きな目標は、27年の世界陸上北京に出場すること。19年ドーハ大会から出場する田中は、来年出場となれば、福士加代子さん以来日本人女子2人目の5大会連続出場となる。「勝ち癖はつけたいですし、その中で本当に喜べる自分っていうのを取り戻したいなっていうふうに思います」。目標達成に向け、アジア大会で成し遂げたいことについて述べた。

競技を続けていく上で自分の持ち味を問われると、「どんな種目でも全力で臨めることと、種目もやっぱり1500mから10000mまでっていう選手はあまりいないと思うんですけど、私自身も初めての挑戦で、そういったいつでも自分にとって未知の挑戦ができるっていうところ」と答えた。「自分の中で勝負事が元々そこまで好きになれない分、メダルを取りますみたいには言いにくいところはあるんですけど。でもやっぱりメダルを取れたら嬉しいとは思うので、そういった自分に出会えるように頑張りたいなと思ってます」と“勝ちにこだわる田中希実”も垣間見れた。

32年ぶりに日本で開催される今大会。「大会を通して、疲弊していく様子とか、今の時点ではどういう流れか予想できないんですけど、例えば10000mダメだったけど1500mでこんな走りをしてるぞとか、逆に10000m良かったけど1500mちょっと疲れたのかなとか、5000mは3種目目なのにこんなことしてるよとか、そういうトータルで物語みたいに楽しんでもらえることを期待したいです」と笑顔で呼びかけた。

◆田中希実(たなか・のぞみ)
1999年9月4日生まれ 27歳
兵庫県小野市出身。元中・長距離の選手として活躍した父・健智(かつとし)さんと、北海道マラソンで二度の優勝経験を持つ母・千洋(ちひろ)さんのもとで生まれ育った田中は、幼少期から陸上のレースに触れる機会が多かった。2014年に中学生で兵庫県代表として全国都道府県対抗女子駅伝に出場し、8区の区間賞を受賞した。高校進学後、2015年国民体育大会(国体)で1500m(少年女子B部門)優勝、2017年同大会では3000m(少年女子A部門)で優勝するなどトラック種目でも頭角を表した。2021年東京五輪では女子1500mで日本勢女子初の決勝進出で8位入賞、日本人女子初の4分切りを達成した。24年パリ五輪には1500mと5000mで出場した。世界陸上には2019年ドーハ大会から4大会連続で出場、2023年ブダペスト大会女子5000mでは日本勢26年ぶりに決勝進出、8位入賞を成し遂げた。現在、1500m(3分59秒19)、3000m(8分32秒29)、5000m(14分29秒18)の日本記録を含むトラック・ロード種目合わせて12個の日本記録を保持している。