強酸性の温泉水が稲の消毒剤の代替に

さらに翌年からは、稲作にも活用できないかと研究を始めた。地元で課題になっていたのは殺菌剤の使用だった。

稲作は種籾を消毒するところから始まる。しかし、消毒に使われる次亜塩素酸水などの消毒剤は猛毒を含むため、廃液が河川に流入することで、オオサンショウウオや小魚などが生息できなくなっていた。佐々木教諭は、湯の花が消毒剤の代替になることを偶然知ったと明かす。

「秋田県立大学に農学系の生物資源科学部があり、本校と連携していることもあって、農薬を専門に研究している教授とお会いする機会がありました。その際に教授が『君たちは玉川温泉の湯の花を使っているよね。強酸性は殺菌効果があるんだよ』と教えてくれたんです。そこで、湯の花を希釈した水に種籾を漬けたところ、苗が消毒剤を使用した場合よりも早く生育しました」

湯の花の希釈水を使った実験(果樹部が作成した資料より)

さらに消毒後の廃液を、酸性を好むブルーベリー栽培に活用することも考案。それまで湯の花が農業資材に利用された実績はなく、果樹部が初めて実用化した。

この湯の花の希釈水を稲作とブルーベリー栽培に活用する取り組みは、2024年10月の日本学校農業クラブ連盟全国大会で、2番目の賞となる優秀賞を獲得した。

また、同年度の「SDGs Quest みらい甲子園」秋田県大会で最優秀賞を獲得したほか、翌年2025年の全国大会「SDGs Quest みらい甲子園Future Session 2025」でも協賛企業賞を受賞している。

「SDGs Quest みらい甲子園Future Session 2025」での発表(2025年10月大阪・関西万博)