多目的トイレという選択肢の限界

多目的トイレがあればいい、という声もありますが、現実はそう単純ではありません。
「数が圧倒的に少ない。あったとしても個室はひとつだけになることが多い」
切羽詰まった状況で多目的トイレを目指したものの、ほかの人が使用中で間に合いそうにない—そんな経験を繰り返してきた人は少なくない、と満島さんは話します。
「ほんとにやばいっていうふうになりながら、駆け込むように多目的トイレみたいなときもある」

「全部個室にしたらいいんじゃないか」—札幌レインボープライドに関わっていた時代に10代の当事者たちと話し合った際、そんなアイデアが飛び出したこともあったといいます。密閉型の完全個室を男女問わず並べるという発想です。実際にそうした形で運用している施設や学校もあると聞いている、と満島さんは説明します。
しかし、それだけで全てが解決するわけでもないとも考えています。
「性的加害・被害の可能性を考えると、男性と女性がどちらも入れる環境がどうなのかということや、清潔感についての現実的な差異の話も出てくる。一概にそれだけで解決とはならないかなと思っている」
また、既存の建物を全面的に作り替えるには莫大な予算が必要であることも現実です。
「どちらかというと、今、存在する建物を上手に活用したり、情報をもっと共有していくことのほうが、いろんな人にとって利益が生まれるのかなと思う」














