大好きだった先生も…戦火逃れジャングルへ

日本軍は、現地のフィリピン人を次々と殺害。その理由は、スパイ容疑でした。子どもたちに好かれていた現地の先生もその対象となったと言います。

衣山さん「私たちは軍国主義で教育を受けていたんですけど(現地の)英語の先生だけはすごくみんなのことを笑わせて、英語の先生をみんな大好きだったのが、2人とも殺されちゃうんです。アメリカのスパイじゃないかと言って」

少年時代に目にした日本軍の加害。兵士たちは、衣山さんの家によく滞在していたと言います。そこで、彼らの本音を聞いていました。

衣山さん「ある音楽学校を出た兵隊さんなんか泣くんですよね、お酒を飲むと。『おれもお前と同じくらいの子どもいるんだ』と言って、歌を歌って泣いている。ある将校の人も来て、泊まって行くんですけど『必ずお前おれのそばに寝ろよ』と。私寝られないんですよ、いびきはすごいし、酒は臭いし、動いてばかりいるから。ところがやっぱりその人も『おれもな、子どもいるんだ』と言った時の声は忘れられなかった。早く終わって帰りたいというのがみんなの願いだったと思う」

その後、戦況は刻々と悪化し、フィリピンには、アメリカ軍が侵攻します。戦火を逃れるため、日本人はジャングルへと逃げ込みます。

衣山さん「家族でジャングルに向かって逃げるんです、いっせいに。夜中4時間くらい歩いたんですかね。もうくたくたで、みんな道路いっぱいですから逃げる人、日本人」