(ブルームバーグ):中国は輸出拡大の正当性を訴え、過剰生産能力を巡る欧米の批判に強く反論した。米国や欧州連合(EU)との貿易摩擦の激化に備える。
中国商務省は28日、工場の過剰生産を巡る貿易相手国・地域の主張を退け、自国の立場を示す約1万字の文書を公表した。米政府は中国の製造業に対する調査を続け、EUは過去最大に拡大している対中貿易赤字への対応を10月までにまとめる必要がある。

商務省の鄢東次官は北京での記者説明会で、「一部の国・地域は、いわゆる中国の過剰生産能力問題をあおっている」と述べ、文書には「事実を明らかにする」狙いがあると語った。
欧米の通商政策を左右しつつある見方に対し、中国政府がこれまでで最も包括的に反論した形だ。欧米は、中国の国家支援や内需の弱さ、工場投資の継続によって余剰製品が世界市場に流れ込み、他国・地域の生産者を脅かしていると訴えている。
中国の産業政策を特に強く批判しているのが米国とEUだ。電気自動車(EV)やバッテリー、太陽光発電設備、化学製品などの安価な中国製品が流入し、国内・域内の生産者を圧倒する恐れがあると指摘する。中国側は、輸出増は技術の進歩や効率的なサプライチェーン、世界的な需要を反映していると反論している。
商務省政策研究室の林衛龍主任は記者説明会で、米国の調査は一国主義の表れだと批判し、中国は必要な対抗措置を講じる権利を留保すると述べた。
欧州が最近講じた貿易救済措置も批判する一方、EUとの相違については対話を通じて解決する用意があるとした。
中国は、過剰生産能力を裏付ける主要指標とされる設備稼働率についても、国や産業によって異なり、単一の基準では過剰生産を立証できないと主張した。
公式統計によると、4-6月(第2四半期)の設備稼働率は73%と、2020年初めのロックダウン以来の低水準となった。石炭採掘業での死亡事故を受けて安全検査が広範囲に実施され、生産が急減したのが主因だった。
商務省は、稼働率は「妥当な範囲内にとどまっている」と説明した。

商務省は文書で、補助金や貿易黒字、国内経済の不均衡が構造的な過剰生産能力の証拠だとする見方を退けた。中国政府は補助金の透明性向上や、地方政府の不適切な奨励策の抑制に取り組んでいると指摘した。
また、半導体や航空機、自動車、医薬品などでは米国とEUも貿易黒字を計上しているとして、大幅な黒字が過剰生産を意味するわけではないと反論した。
中国は過剰生産能力を巡る批判を否定する一方、最高指導部は1年前、企業間の過当競争を取り締まる取り組みに着手した。供給過剰を背景とする激しい値下げ競争が、世界2位の経済大国で記録的な長期デフレを招く一因となった。
この取り組みは、過剰生産能力を抑え、国内の需給均衡を図る狙いがあると広く受け止められた。ただ、これまでの効果は限定的だ。今年に入ってからの物価動向の改善は主に、原油や金属、半導体など輸入品の価格上昇によるものとなっている。
原題:China Gears Up to Fight Overcapacity Claims as Trade Clash Looms(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.