(ブルームバーグ):年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、正式に資産配分方針を見直さなくても、最大620億ドル(約9兆5000億円)相当の米国債を売却する可能性がある。サンタンデール銀行のアナリストが分析した。
運用資産2兆ドルのGPIFが国内債券を増やす一方、外国債券への配分を見直しているとの観測は、先月開かれた8月としては異例の経営委員会の開催を受けて広がった。GPIFを所管する上野賢一郎厚生労働相は8日、資産構成の見直しについて「引き続き適宜適切に検証が行われていると認識している」と述べた。
ただ、サンタンデールの債券・為替・コモディティー戦略グローバル責任者、アントニオ・ビジャロヤ氏率いるチームによると、現行方針には十分な柔軟性があり、運用担当者はそうした見直しに先立って外国債券へのエクスポージャーを大幅に減らすことが可能だという。売却リスクが最も大きいのは米国債だとしている。
ビジャロヤ氏らは顧客向けリポートで、「戦略的な配分レンジには柔軟性があるため、正式な戦略的資産構成の見直しを待たず、今後数カ月で外国債券の保有を減らし始める可能性がある」と指摘。特に「日本銀行が連続利上げを通じて円安基調を反転させることに成功すれば」、その可能性が高いという。
数十年にわたり、極めて低い金利を背景に日本の投資家はより高いリターンを求めて海外市場に投資し、日本は世界有数の資本輸出国となった。米財務省のデータによると、日本の米国債保有額は1兆1000億ドルで、海外勢として最大だ。
GPIFは現在、外国債券の基本配分比率を25%とし、上下5ポイントの乖離を許容している。サンタンデールは、現行方針の範囲内で外国債券の比率を現在の水準からポートフォリオの20%まで引き下げるケースに加え、FTSE世界国債インデックスへの連動の在り方を変更するケースも分析した。
ビジャロヤ氏らは「こうした柔軟性を活用することで、GPIFは今後数年に向けて新たな資産配分を策定するかどうか、時間をかけて検討できる」とコメントした。
原題:Japan’s GPIF May Sell $62 Billion of Treasuries, Santander Says(抜粋)
--取材協力:ジョン・チェン.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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