(ブルームバーグ):モルガン・スタンレーのストラテジストは、投資家がキャリートレードを再構築するのに伴い、円相場は7月に付けた水準まで再び下落すると予想している。ファンダメンタルズ面でも円安方向に傾いているという。
杉嵜弘一、デービッド・アダムズ、アンドリュー・ワトラス各氏らのチームは、新たな戦略として、円が1ドル=163円まで下落することを見込んだ取引を推奨した。これは、日本当局が米国と異例の協調介入に踏み切った7月下旬の安値水準に当たる。
この介入が円相場の下支えとなり、足元では1ドル=154円前後で推移している。円は4カ月ぶりに2週連続で上昇する見通しだ。今週前半には、ベッセント米財務長官が、円相場を支える自身の決意を試すような動きをけん制し、米国が再び円を支えた。

「最近の円高は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のレパトリエーション(資金の本国還流)を巡る憶測を背景に、短期的なキャリーポジションの巻き戻しが進んだためとみられ、ファンダメンタルズの変化によるものではない」と同社はリポートで指摘。「大規模なレパトリが起きる可能性は低い」とした。
こうしたキャリートレードは、為替介入や日銀当局者によるタカ派的な発言を受けて巻き戻された。日本政府も年金基金に対し、国内市場への投資配分を増やすよう圧力を強めている。
ただ、「過度なレパトリ懸念が後退し、キャリーポジションが徐々に再構築される」のに伴い、ドル・円は適正水準に向けて反発するとの見方を示した。
同社はドル買い・円売りを推奨し、目標を1ドル=163円、損切り水準を150円としている。
原題:Morgan Stanley Favors Trade With Yen Weakening to 163 per Dollar(抜粋)
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