中国のムーンショットAI(月之暗面)は、新たなオープンウエートモデル「Kimi K3」を開発者がダウンロードして利用できるようにする準備を進めている。世界の開発者コミュニティーで存在感を高める狙いだ。中国勢がAI開発で米国勢との差を縮める中、米国では警戒感が強まっている。

ムーンショットは27日に、AIシステムが回答を生成する際に用いる学習済みパラメーター(重み)を公開する予定だ。これにより開発者はモデルを自由にダウンロードし、改良して独自の環境で運用できるようになり、同社AIの利用基盤拡大につながる見通しだ。

創業者の楊植麟氏はこれまで、競合する米国のクローズドな独自システムよりも高い公開性と利用しやすさを重視することで利用者を獲得したいとの考えを示している。

Kimi K3は発表当初、ベンチマークテストで高い性能を示したことから、今月にはAI関連株への売りを誘った。中国製モデルがOpenAIやアンソロピックなどとの差を縮めていることを示したためだ。

2025年初めのDeepSeek(ディープシーク)の公開と同様、K3の登場は、中国企業がエヌビディアのAIアクセラレーターを十分に利用できる競合企業と比べ、より限られた予算と最先端リソースでも競争力を維持できることを示す証拠と受け止められた。

27日の公開は、外部のオープンモデルのホスティングを手掛けるクラウドAIコンピューティング事業者の追い風となる可能性がある。中国製AIモデルは近年、米国製サービスと比べて低価格でありながら同等の性能を提供しており、DeepSeekを中心に世界的な人気を集めている。

ブルームバーグ・ニュースが報じたところによると、K3モデルの公開後、ムーンショットの1日当たり売上高は少なくとも6倍に増加した。ムーンショットはこの勢いを受け、企業価値500億ドル(約8兆1800億円)で新たな資金調達ラウンドを進めようとしているほか、早ければ今年にも香港での新規株式公開(IPO)を見込んでいる。

ムーンショットの成功により、同社は米中の技術競争の新たな焦点となった。米ホワイトハウス当局者は先週、ムーンショットがKimi K3の開発に際し、米国製AIモデルやエヌビディア製半導体を不適切に利用したと非難した。ムーンショットはこの件についてコメント要請に応じていない。

ムーンショットは、2兆8000億個のパラメーターを用いてK3を開発した。これはAIモデルの複雑さを大まかに示す指標で、アンソロピックが対話型AI「クロード」などの規模を非公表としている中で、世界最大のオープンウエートモデルとなっている。

原題:China’s Moonshot to Release Breakthrough AI Model for Download(抜粋)

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