日本で進まぬ年齢制限の議論…背景に『子どもの居場所』?

なぜSNS企業はユーザーを画面に釘付けにしようとするのでしょうか。
最大の理由は、SNSを利用した巨大な広告ビジネス。世界の広告支出の約4分の1に当たる2770億ドルがSNSなどのソーシャルメディアが占めているとみられます。
この莫大な広告収入を手にするため、プラットフォーム側はユーザーの滞在時間を1秒でも⻑くしようとします。その結果、「無限スクロール」のような際限なく動画を見続けてしまうシステムが用いられてきたのです。

2025年12月、オーストラリアが世界に先んじて16歳未満のSNS利用を禁止しましたが、今回EUが講じたのが、年齢ごとの段階的なSNSの利用制限です。
【EUでの年齢による段階的制限】
3歳未満:スクリーンへの接触を全面禁止
13歳未満:保護者の監督下などに利用を限定
EUは、「無限スクロール」や「おすすめ機能」は、スマホ画面を無意識にスワイプさせ脳を「自動操縦モード」にしていると問題視していました。さらに、SNSをスクロールしていると差し込まれる「広告」については、すでに強い規制を設けています。

ユーザーの閲覧履歴を分析して広告を表示させるターゲティング広告。これを未成年に対して行うことを、法律で禁止しており、違反企業には前年度売り上げの6%という巨額の制裁金を科しているのです。
翻って、日本では年齢制限の議論は本格化していません。

子どものSNS利用に詳しい兵庫県立大学の竹内和雄教授は、「EUなどの積極的な対策は評価できる。日本も必要な規制はすべきだが、海外の対応をそのまま日本にあてはめるのは危険。一律の制限は、不登校の子どもなどが拠り所とする『SNSの居場所』を奪いかねない。子どもの利用実態に応じた対策のため、冷静で慎重な議論が必要」と指摘しています。
「一律禁止」か「無制限」かという極端な二択を避け、日本の現状に合わせた柔軟なルール作りが求められています。














