ロシア軍によるウクライナ東部への攻撃が激しくなる中、プーチン大統領は「作戦の目的は仲間を助けること」と話します。ウクライナでおこっていることをロシア国民は受け入れているのか。またロシア国防省は新型ICBMの発射実験成功を発表しましたが、この裏には「大きな焦りがあるのは間違いない」と専門家は指摘します。いまロシア側が考えていることとは?アメリカによる“テロ支援国家”指定の可能性とあわせて見ていきます。
■「それは必ず来る」
井上貴博キャスター:
プーチン大統領の主張は全く変わっていないようです。市民との会合という形で情報が映像と共に発信されました。ロシアがドンバス地域に平和をもたらすという主張は1ミリも変わっていない。どういったプロパガンダなのでしょうか。
4月20日、ロシア大統領府によると、教育関係者など少なくとも23人が参加する形で会合が執り行われました。ロシア国営メディアのホームページにも掲載されていて、その中の、中学校1年生の女子とのやりとりを見ていきます。

プーチン大統領「この作戦の目的はドンバスに住む私たちの仲間、皆さんのような人々を助けることです」
“中学1年・女子”「私はドンバスの娘。ロシアを誇りに思っています。ロシアのおかげで平和が訪れることを願っています」
プーチン大統領「それは必ず来る」
こういったやりとりが、国営放送を通じてロシア国民に伝えられロシア国民はこれを見る。ウクライナや世界を守るためにロシアがこの行動をしているんだということで情報が発信されていきます。
■ロシア軍の動き
井上キャスター:
19日時点で78部隊で展開していました。20日、アメリカの国防総省高官によりますと、新たに「大隊戦術グループ(=800~1000人規模)」4部隊を投入し82部隊で編成するという形をとっています。82部隊×1000人規模の軍隊をロシア軍が新たに展開していると、アメリカ側が分析しています。

最後の砦と言われている製鉄所について、ウクライナ側は、
アゾフ連隊副司令官「がれきの下には、けがをしたり亡くなったりした仲間がいます。民間人もいるかもしれません。360度包囲され完全に封鎖された状態です」
ポドリャク大統領府長官顧問(SNSに投稿)「ロシア軍は地下施設に“地下貫通弾”による攻撃を行っている」
と話しています。
地下貫通弾とは、どんな兵器なのでしょうか。
2005年のアメリカでの実験映像です。コンクリートなどの遮蔽物を貫通し、そして目的地で爆破するように設計がなされています。ロシア軍が使っているかどうかとは別ですが
今、爆破をピンポイントで操作して爆発させることができるという技術もあるようです。
これが地下貫通弾の威力ということになります。
