特集、災害などから住民の命を守ろうと一歩を踏み出した若者たちの物語です。
この春、愛媛県内各地の消防本部に採用された63人の訓練生たち。
消防学校への入校初日にカメラが密着しました。


4月6日の朝、愛媛県松山市勝岡町にある県消防学校に、新人消防士たちが集まりました。

訓練生)おはようございます

地域によっては倍率数十倍という難関を突破し、この春、愛媛県内14の消防本部に63人が採用されました。
女性消防士は過去最多に並ぶ10人。
これからおよそ半年間、寮生活を送りながら知識や技術を学び、一人前の消防士を目指します。

(宮田訓練生)
「すごく緊張しています。男性が多いので女性としてついていけるかは不安なんですが、一生懸命頑張りたいと思います」

こう話すのは、伊予消防等事務組合消防本部の宮田詩野(みやだうたの)さん。
人の命を助けたいとこの仕事を選びました。


一方こちらは、今治市消防本部の訓練生たち。
1人、ネクタイの結び方に四苦八苦しているのは楠橋健生(くすはしけんせい)さんです。

(楠橋訓練生)
「ネクタイは苦手です。全然慣れていないので・・・」

同期の訓練生に見守られ、服装を整えました。

楠橋訓練生)10歳のときに消防士のドラマを観て消防士に憧れました
記者)自分の性格を一言で表すと?
楠橋訓練生)一言で表すと…明るさだと思います


各消防本部ごとに訓練生がまとまって集まる中、1人、母親とともにやってきたのは、愛南町消防本部の大元麻由(おおもとまゆ)さん。

(大元訓練生)
「緊張していますが卒業できるように頑張りたいと思います」

愛南町消防本部所属の訓練生はただ1人。親元を離れての生活が始まります。

(大元訓練生の母・静江さん)
「見ている方もちょっと不安ですけどね。まあ頑張ってもらうしかないので。1つ大きくなって帰ってきてくれれば嬉しいなと思っています」


午前8時40分。
訓練生が教官と初めて顔を合わせる入校受け付けが始まりました。

訓練生)新居浜市消防本部●●●●(名前)です!!

ここでさっそく、消防士の厳しさを思い知らされます。

教官)声がこまいけんもう1回やり直せ。荷物そこに置いといてかまんけん、やり直せ
訓練生)今治市消防・・・
教官)今治市消防本部な、やり直せ

教官)指伸ばせ。もっと大きい声で

(月原元太教官)
「現場とかでもいろんな音が聞こえる中で、大きい声を出さないと声が通らないので」

訓練生に緊張が走ります。

訓練生)四国中央市消防士消防本部から参りました
教官)もう1回行け
訓練生)四国中央市…(小声)
教官)落ち着け
訓練生)はい! 四国中央市消防…四国中央市…四国中央市消防本部…(小声)


そして、愛南町消防本部唯一の訓練生、大元さん。

(大元訓練生)
「父が海の事故で意識不明の重体だったんですけど、消防士の方の迅速な判断のおかげで命を救っていただいたことがあり、私も消防士になり命を救いたいと思うように」

大元訓練生)愛南町消防…愛南町!
教官)もう1回
大元訓練生)はい
教官)落ち着いて
大元訓練生)愛南町消防本部から参りました大元麻由です!

訓練生全員が無事に入校受付を済ませました。