誰かの幸せを願い、人生の節目を鮮やかに彩ってきた「水引」。

その伝統の技は今、祝儀袋や結納品の枠を超え、現代の空間を彩るアートとしても新たな輝きを放っています。

日本一の紙のまち・愛媛県四国中央市で受け継がれる県の伝統的特産品「伊予水引」。

1本の美しい糸を生み出す職人と、伝統を未来へつなぐデザイナーの挑戦を追いました。

和紙から1本の糸へ

水引の製造を手がける東亜染芸です。

(東亜染芸・柴垣宗太郎さん)
「糸の太さが0.85ミリからマックスで1.05ミリまであるが、それに応じて紙の幅を変えてスリッターで切っていく」

水引は和紙をより合わせ、糸にすることから始まります。

約2センチ幅のテープ状に裁断した和紙を、水につけて濡らし、3日ほど乾燥させます。

(東亜染芸・柴垣宗太郎さん)
「紙の乾き具合できれいによれたり、荒っぽくなったりしてしまう」

ポイントは乾燥で生じる隙間です。

(東亜染芸・柴垣宗太郎さん)
「乾きすぎると濡らす意味が全くなくなってしまって、加工したとき曲線が出なくなるので、ちょっと湿った方がきれい」

専用の機械にセットしてより合わせることで、1本の糸が出来上がります。

糸の太さは0.85ミリから1.05ミリまで、0.05ミリ刻みという繊細な違いで、用途に合わせ5段階の太さに分けられます。