多くの時間は「鑑定医との面談」生い立ち…家族関係など聞き取る

ーー鑑定留置では一体どのような事が行われるのでしょうか?
「多くは鑑定医との面談です。面談は山上容疑者がそもそも生まれてから犯行に至るまでどういった生い立ちだったのか、家族との関係はどうだったのか、学校ではどんな生活をしていたのか、犯行に至るときにどんな気持ちだったのか、それが終わった後にどういう気持ちでいるのかなどを鑑定医が聞き取る中で犯行時の精神状態を判断していくということになります」
ーー自由に語らせていくということなんですか?
「私が見たケースではそういうケースが多いです。やはり決めつけて聞いちゃうと、なかなか情報が出てきませんので、できるだけオープンに一見関係なさそうなことでもできるだけ話してもらうというスタンスで臨む先生が多いんじゃないかなと思います」
「犯行時に精神疾患があったのか」をまず鑑定医が判断
ーー鑑定医との面談の頻度は多いときは週に1回、少ないときは1か月何もないこともあるということでどうして差があるんでしょうか?
「これも鑑定医の先生のキャラクターにもよるんですが、聞き取りを続けたいときには頻度を多くしていきますし、例えば周囲のご友人、ご家族から話を聞いてる時は、本人に聞くのはその後のタイミングになりますので、しばらく何もないことも結構あります」
ーー鑑定留置の間は取り調べは受けないということですか?
「はい、取り調べはされません」
ーーということは5か月半の間、どういう生活だったんでしょうか?
「もちろん面談の時は一生懸命お話されてるのかどうか私にはわからないですが、面談がない時間は基本的に何もすることがないので、例えば差し入れの本を読んだり勉強をしたり、もちろん彼がという意味ではないですが、私のかつての事件ではちょっと退屈だなみたいな時間をもて余す人も結構いらっしゃいます。犯行時に精神疾患があったのかどうかをまずドクターが判断しないといけないので、そこに至るまでにどんな生活を送ってきたのか、通院歴があるのか、飲んでるお薬があるのか、幻聴が聞こえたのか幻覚が見えていたのかそういうことを細かく見ていくことがこの間に行われる作業なのですが、やはり過去にどうだったか。非常に難しい判断になります」