2021年7月、静岡県熱海市で起きた土石流災害を巡り、遺族らが前と現在の土地所有者を訴えた裁判と行政を訴えた裁判の両方をあわせて審理する「併合審理」の初めての協議が1月11日、行われました。熱海市は行政文書の「黒塗り部分」の開示を拒み、遺族側はこの対応を批判しました。
<廣田昭由記者>
「責任の所在を追及するため、遺族らが起こした2つの裁判が併合され、きょうから審理が始まります」
熱海土石流の遺族らは、これまでに前と現在の土地所有者を相手取った裁判と静岡県と熱海市に損害賠償を求める裁判の2つの裁判を起こしています。裁判所はこれまでに、これら2つの裁判を合わせて審理していくことを決定していて、1月11日は初めての協議が非公開で行われました。
原告側、被告側それぞれの代理人によりますと、11日は静岡県と熱海市、それぞれの行政文書で個人名などを隠した「黒塗り部分」の開示が協議され、静岡県は現在、作業中で3月ごろには提出する予定とした一方で、熱海市は黒塗りの開示を拒否したということです。
<原告(遺族・被害者)側代理人>
「証拠の部分、持っている資料の開示を拒むということ自体が被害者にどこまで寄り添っているのか大いに疑問」
遺族側はこうした熱海市の対応を批判。さらに、同じ被告側である土地所有者の代理人も熱海市の対応に疑問を呈しました。
<現土地所有者の代理人>
「きょう、はっきりしたことは、熱海市はすべての事実を開示するつもりはない。なるべく隠す。なるべく隠ぺいする。なるべく遅らせるという姿勢を露骨に打ち出しました。とんでもない話です。こんな裁判やってるようじゃ、5年、10年すぐ経ってしまう」
これに対し、熱海市の担当者は…。
<熱海市 高橋勝敏総務課長>
「具体的に裁判所の提出命令などがあるので、そうした措置をとってもらえれば、検討しますと申し上げた」
次回は4月19日、再び非公開での協議が予定されています。
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