日本だけで問題になる妊娠出産

高向さんは、20代で英語を学ぶため、アメリカへ留学。その後、インドネシアで7年間生活した経験があります。
日本語教師 高向有理さん
「妊娠出産がこんなに留学とか仕事との障害になるようなことがインドネシアでもなかったし、アメリカでも留学生で出産している人がいましたから、障害になることはなかった。同級生も出産しましたし、子育ては大変ですけれど、それで在留のビザがどうなるかなんかは問題にならなかったと思うんですよね。それで悩んでいると聞いたことがないので。」
高向さんは妊娠出産が可能な年齢の女性たちが大勢来日しているのに、そこに目を向けない日本の姿勢に疑問を投げかけます。

日本語教師 高向有理さん
「働くとか勉強することだけする人、産まない単身者が日本に来ることが大前提ですよね。つまり『男性モデル』ですね。お金を稼いだりする男性がくる、女性でも産まない単身者が来る前提は、非常に不自然ですよね」
「妊娠したらやめてもらう」マタハラ横行

福岡市にある福岡出入国在留管理局には、多くの外国人が手続きで訪れています。ここで3か月に1回行われているのが、九州各県の自治体で外国人相談窓口を担当する人たちを集めた連絡会です。その会合で高向さんが講演することになりました。

日本語教師 高向有理さん
「孤立出産を少しでも防ぎたいという思いで、この教材開発、情報提供の活動を始めました。孤立出産は外国人だけではなくて、日本人にも、国籍関係なく起こっていることですし、技能実習生にも留学生にも、在留資格も関係なく起こりうる問題です」

2022年に行われた外国人技能実習機構による妊娠出産の実態調査では、「妊娠したらやめてもらう」という警告を受けたことがある人が、26・5%もいました。高向さんは、マタニティーハラスメントが横行していると指摘します。
そもそも基本的人権の一つとして、性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)があり、国連は権利を尊重することを提唱しています。具体的には、子供を持つか持たないか、子どもを産むならいつ何人産むかを自分で決められる権利です。しかし日本では、ほとんど認識されていません。
外国人の相談窓口では本人の意志を尊重して対応することが求められます。

グループワークでは、産むか産まないか、産むとしたら日本で産むのか、母国で産むのかを確認することなどが話し合われました。














