単位にならないゼミ学習・冤罪「甲山事件」に挑む生徒たち

通常の授業とは別に、宮田さんが取り組んでいるゼミ学習について話してもらいました。通信制だからこそできる、学びの幅を広げるチャレンジです。

(岡山操山高校通信制課程教諭 宮田拓さん)
「通信制高校に赴任して、通信制だからできることってなんなんだろうなっていうことを考えていたんです。授業の回数自体は少ないですし、全部の授業に生徒が出席するとは限りません。そうすると大学の授業に近い感じかなと思うんですけど、授業以外で学びの時間というのを確保できないかなっていうことを考えて始めたのが、ゼミ学習ですね」

ゼミ学習は単位には認定されないにもかかわらず、生徒が積極的に参加しているといいます。取り組んだテーマのひとつに「模擬裁判」があります。

(岡山操山高校通信制課程教諭 宮田拓さん)
「教科書に出てくるある事件を生徒たちと一緒に膨らませていって、実際に日曜日の授業で模擬裁判をやる。弁護士の先生とか大学の先生にもご協力いただいて実施しているんですけど、模擬裁判を日曜日だけではなく、平日も一緒に集まってやらないかっていう声をかけたところ、ちょっとおもしろそうだからやってみたいという感じで生徒が集まってきてくれたんです」

ゼミ学習では平和学習やヘイトスピーチ問題など、現代社会の重いテーマにも取り組んできました。そして、2年連続で取り上げているのが「甲山事件」です。

甲山事件は、1974年、兵庫県西宮市の知的障害児施設・甲山学園で園児2人が死亡し、当時22歳の保育士として当直をしていた山田悦子さんが殺人容疑で逮捕された事件です。山田さんは釈放され4年後に再逮捕。そして事件発生から25年が経過した1999年に大阪高裁で3度目の無罪判決となり、山田さんの無罪が確定した冤罪事件です。この事件では警察の強引な取り調べや、犯罪報道のあり方などが問題となりました。