少年のころ父親の研究室で見た「ラピュタの根っこ」に心揺さぶられ…
恒久さんは、北海道大学で長年、化学を研究してきた研究者だ。慎也さんが子どものころ、恒久さんはいつも研究室にいた。
当時の慎也さんには、研究室にこもっている父親のイメージしかない。
「お父さんと遊びたかったんですけど、(研究室に)こもっていて。だったら研究室で遊べばいいや」
ある日、慎也さんが、恒久さんの研究室に遊びにいったとき「植物を引き抜いて、重さをはかれ」と恒久さんから言われ、小さな植物を鉢から引き抜いてみた。
「植物は小さいんですけど、引っこ抜くと根がわーっとなっている。まるで天空の城ラピュタみたい。なんだこれ、すごいんだけど」
その時みた光景に心を揺さぶられた経験が、その後の研究意欲などの礎になっているという。
2013年夏、大叔母の寂しそうな表情をきっかけに着想を得た慎也さんは、父親の恒久さんに「無機鉱物と無機肥料の組み合わせで、無菌の人工土壌ができるのでは」というアイデアを父親の恒久さんに話した。
すると父親の恒久さんは…
「俺の車は外に出すから、とりあえずガレージで作れ」
駐車場として使っていた自宅のガレージを慎也さんに譲り、恒久さんは、それ以降は、マイカーを屋外で保管してきたという。ちなみにそのマイカーは今も故障なく快調だ。
「逆に言うと、10年野ざらしでも日本の車の技術はすごい、ということですよ」と恒久さんは笑う。














