学生団体がSDGsカードゲームを製品化

このゲームの名前は「THE SDGsアクションカードゲームX(クロス)」。金沢工業大学の学生が中心になって開発した。SDGs達成を目指す際に生じるトレードオフを解消し、環境・社会・経済がバランスよく成長するアイデアを創出するもので、小学生以上であれば楽しめる。

クロスが生まれたのは2018年9月。当時の日本ではSDGsに対する認知度が低く、電通が同年2月に実施した調査では「内容まで含めて知っている」人と「聞いたことがある」人を合わせても14.8%しかいなかった。同大学Beyond SDGs推進センター所長の平本督太郎教授は、誕生のきっかけは学生の声だったと明かす。

「学科の学生全員と面談する中で、何をしている時が一番楽しいか、苦労もなくできることは何かを聞いていました。すると、多くの学生がゲームであれば苦もなくできるし、時間もいくらでも費やせると答えたんです。それなら、ゲームで社会を変えようという話になり、学生と一緒に開発を始めたのがクロスです。

低かったSDGsの認知度を広げることに加え、いろいろな人がアクションを考えられるゲームを目指しました。SDGsの本質をゲームの内容に盛り込むと同時に、革新的なアイデアを考えられるよう、経営学の考え方を基盤にして設計しています」

金沢工業大学Beyond SDGs推進センター所長の平本督太郎教授

クロスの考案は学生団体である「SDGs Global Youth Innovators」が担った。最初にインターネット上に公開したのは無料版で、ダウンロードしたデータをプリントして、自分で1枚1枚カードを切り分ける形式だった。

すると、企業や教育機関などから購入したいという要望が数多く寄せられた。そこで、2019年にクラウドファンディングで約330万円を集め、カードを切り離してパッケージにする形で製品化した。英語版も製作している。

開発メンバーの一部は株式会社LODUを2021年に起業し、SDGsゲームの開発や販売のほか、企業や自治体などに対し、独自に開発したゲームを活用した研修などを行っている。LODUとは「LOVE」と「EDUCATE」を合わせた造語だ。大学との共同研究も続けている。

金沢工業大学Beyond SDGs推進センター(石川県野々市市)